課長職にマネジメントの革新を!
RSS

これからの企業が求める人材とは?―人材採用・開発の視点

これからの企業が求める人材とは?―人材採用・開発の視点

(2015年7月17日更新)

 
  • はてなブックマーク
  • Yahoo!ブックマーク
  • Check

人材採用・育成の前提には、企業が求める人材像を明確にしておく必要があります。では、これからの時代には、どのような人材が求められるのでしょうか。

通信教育『<新版>めざせ!ハイパフォーマー』では、内定者を対象に「これからの企業が求める社員」について、わかりやすく解説しています。
ここでは、その一部をご紹介いたします。
 

*      *      *

 

「継承者」ではなく「変革者」に

今までは安定した優良企業だと思っていたところが、突然経営不振に陥ってしまう。一方で、まったく名前も聞いたことのない企業が彗星のごとく現れ、その業界を席巻する……。こうした現象は、今では当たり前の世の中になっています。吸収や合併、系列を超えた協力関係の締結など、日々、企業は形を変えています。「この企業に入れば、必ず一生安泰で暮らせる」などという保証は、もうどこにもありません。言い換えれば、どんな企業でも短期間で拡大、成長できるチャンスがあるというのが今の時代です。

 

今まで多くの企業では、社員に「継承者」どなることを求めていました。ところが、現代のような変化の激しい時代は、「継承者」ではなく「変革者」となることを求め始めています。過去に蓄積した自社のノウハウをそのとおりに受け継いでもらうのではなく、今までとは違うやり方、考え方で変革してもらうために、社員を採用するという企業が増えているのです。

 

「継承者」であれば、今までその企業で蓄積したノウハウをじっくりと勉強し、上司の言うことを聞き、そのとおりにやっていけばよいのですが、「変革者」となれば、そうはいきません。過去を参考にするのではなく、自らが何かを新しく創り上げていかなければならないのです。

 

過去から蓄積された何らかの基準があり、その基準をすべて間違いなく実践できるのはいわゆる「優秀な人」です。人間には絶対的な優劣などないわけですから、優秀かどうかという判断をするには、必ず何らかの基準が必要になります。たとえば、学生であれば、定期試験があり、そこでよい成績を修めた場合、優秀な学生となります。ところが、これからの企業では、つねに変革が求められるため、このような基準は通用しなくなります。そうなれば、従来型の「優秀な社員」は必要ありません。どんな状況の中でも自らを変革し・成果を上げ続けることのできる社員こそが企業には求められているのです。

 

こうした社員になるためには、企業に入っての数年が大切になります。社会人としてのスタートを切るときに、いわゆる「優秀な社員になろう」という意識でスタートするのか、「どんな状況でも成果の出せる社員になろう」という意識でスタートするのかによって、その後の会社生活は大きく変わります。ぜひ、どんな状況でも成果の出せる社員になろうという意識を持ってください。

 

成果を出すことは難しくない

単に優秀なだけでは、これからの時代の企業社会を生き抜くことが難しいということは理解できたと思いますが、本当に入社して日が浅い社員が、成果を生み出せるのでしょうか。

 

多くの企業が成果主義を導入していることは、あなたもすでにご存じでしょう。企業によっては入社後すぐ、また遅くとも入社後数年のうちには、あなたもこの成果主義によって評価されることになります。しかし、成果主義を怖がる必要はありません。10年目の社員と同じような高いレベルの成果をあなたに求めているわけではありませんし、きちんと考えながら仕事に取り組んでいれば、自ずと成果は生まれてくるものです。

 

成果主義とは、単に「数字を達成すればOK」「ちょっとでも目標に足りなければNO」というものではありません。こうした単純な考え方は「成果主義」ではなく「結果主義」と呼ばれるものです。

 

成果主義における「成果」とは、数字に表れるものだけではなく、質的なものも含まれています。たとえば、「お客様との関係がより強くなった」「新しい情報を集めて、それを新製品の開発に結びつけた」など、何らかの効果や価値が高まり、それが企業に対する貢献になるものであれば、すべて成果といえるのです。そう考えると、あなたにも出せる成果はいくらでもあります。たとえば次に挙げる項目は、典型的な成果の例です。

 

(1)顧客とのよい関係を築く
(2)調べたことを資料にまとめてメンバーに配付する
(3)新しい視点からの意見を提案する
(4)誰かに協力し、その人の仕事を早く終了させる
(5)会議の内容を議事録にまとめ、参加者に提供する
(6)学生時代に学んだ最新の専門性を仕事に応用し、成果につなげる
(7)自分の知人から、業界や市場の情報を集めて、関係者に提供する
(8)すぐにわかる定型作業をこなし、終了させる

 

できるだけ早く成果を出そう

新人のプロ野球選手が、より早くチームに貢献するために必要なことは、打者であれば、より早く初ヒットを打つことであり、投手であれば、より早く勝星をあげることです。これは、企業においても同じことです。できるだけ早く、どんな小さなことでも、これは成果だといえるものを生み出すことで、大きな自信につながり、また周囲からも認められます。

 

誰にとっても、企業に入り社会人となって最初に生み出した成果は、一生忘れることのできない、大切な思い出となるでしょう。まず、「どんな成果が出せるのか」ということを考えてください。つねにそうした意識を持って仕事に取り組んでいれば、生み出せる成果が必ず見つかるはずです。

 

ある企業では、入社年度別の営業チームを作り、新製品の営業を担当させたところ、新人のチームがもっとも高い売上げを達成したという例もあります。また、別の企業では、新入社員がお客様に一番信頼され、何かあると、その新入社員が指名されるといったこともあります。「新人だから……、若手だから……」という意識を持ちすぎることなく、成果を生み出すことを目標にして仕事に取り組んでください。

 


 

通信教育『[新版]めざせ!ハイパフォーマー』

「本人の持てる能力がどのように成果に結びつくか」という視点からみるコンピテンシーの考え方に立脚し、自らが持っている知識や思考力をどのように発揮すれば成果を生み出すことができるのか、そのポイントをやさしく解説します。

 

【執筆講師】

川上真史 かわかみ・しんじ
京都大学教育学部教育心理学科卒業。産業能率大学総合研究所研究員、ヘイコンサルティンググループコンサルタントを経て、現在、タワーズワトソン組織・人事部門ディレクター。主に、人事の採用・評価・育成システムについて、設計から運用、定着までのコンサルティングを担当。また、これらのコンサルティング活動にとどまらず、心理学的な見地からの新しい人材論についての研究・開発を行うことで、次世代の人材についての考え方を提唱する。企業内におけるセミナー、研修の講師のほか、テレビや講演会にも多数登壇。

 

内定者フォロー研修・通信教育


メールマガジン

更新情報をメルマガで!ご登録はこちらからどうぞ