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コンピテンシーとは何か―成果を生み出す人材採用・開発の視点

2015年7月17日更新

コンピテンシーとは何か―成果を生み出す人材採用・開発の視点

「コンピテンシー」とは、「その能力が何らかの成果につながるかどうか」という視点から評価する能力のことです。内定者向け通信教育『<新版>めざせ!ハイパフォーマー』のテキストから、成果につながる能力とはどういうものなのかをご紹介します。

コンピテンシーとは何か

「コンピテンシー」は、最近の企業社会において、個人の能力を考える際の中心的な考え方となっているものです。
では、そのコンピテンシーとは、いったいどのようなものでしょうか。日本語にすると「能力」と訳されることが多いのですが、あえて「コンピテンシー」という表記を使い、従来の「能力」と使い分けるのは、評価の視点に違いがあるからです。つまり、従来の「能力」は「優秀かどうか」という視点に基づいて評価をしていました。しかし、「コンピテンシー」は「その能力が何らかの成果につながるかどうか」という視点から能力を評価しているのです。
つまり、その能力が何らかの成果につながるのであれば「コンピテンシーが高い」ことになり、どんなに優秀な能力を持っていても、企業の中で何の成果にもつながらないのであれば、「コンピテンシーが低い」ということになります。また、こうしたコンピテンシーが高く、多くの成果を上げる人のことを「ハイパフォーマー」といいます。

このように、コンピテンシーとは、能力を見る視点を切り替えるだけのことなのですが、こうした視点の切り替えによって、今までとは評価が大きく逆転する場合があるのです。たとえば、知識を多く持っている人や頭がよいといわれる人がいます。一般的には、そうした人たちは優秀な人と評価されることが多いのですが、それが成果につながるかどうかという視点から見た場合、どうなるのでしょうか。多くの知識を持っていれば、あるいは頭がよければ、必ず高い成果を生み出すことができるのでしょうか。答えはNOです。つまり企業の中では、知識の多さや頭のよさが成果に直結しているとは必ずしもいえないのです。

では、なぜ、そのようなことが起こるのでしょうか。よく、就職情報をいろいろなところがら集めてくるのが得意なのに、なかなか就職が決まらないという人がいます。この場合、情報としては多くのことを知っているのですが、それはただ頭の中にあるだけで、実際には、その情報を何も活用していないというわけです。

そうした人よりも、就職について、たったひとつの情報を持っているだけであっても、それを確実に活用している人のほうが、就職で成功する可能性が高いはずです。このようにコンピテンシーは、持っている知識や思考力などを、成果を生み出すために使いこなす力が基本となります。

コンピテンシーを分析する

では、自分がどれくらいコンビチンシーを発揮しているのかということは、どのようにすれば分析できるのでしょうか。方法は簡単です。次のような項目を自分自身に問いかけてください。

ある問題が発生したときに、その問題を解決するために、

(1)どのような場面で
(2)どのように解決するために
(3)どのような意図や理由で
(4)どのような工夫を加えながら
(5)どのように行動したのか

という視点から、自分の行動を振り返ってください。その結果、独自の工夫を加えながら取り組んでいる行動の事実がたくさん出てくれば、あなたはコンピテンシーを発揮していると考えてよいでしょう。

逆に、何も行動していない、あるいは行動していても、当たり前のことしかしていないようであれば、コンピテンシーはあまり発揮されていないと考えるべきです。

コンピテンシーを高める

企業の中で成果を生み出すためには、このコンピテンシーの発揮は欠かすことができません。したがって、できるだけ自分のコンピテンシーを高めることが必要です。ただし、コンピテンシーを高めるといっても、それほど難しいことではありませんので、安心してください。

まず、具体的な成果の目標を設定します。それほど高い目標ではなく、あなたにとって実現可能な成果でかまいません。たとえば、学生なら「10万円以下でアメリカを一周する」「卒業論文で今までになかった新しい考え方を提案し、教授にもその考えに納得してもらう」、社会人なら「売上げを10%アップする」「新しい顧客を10件獲得する」などです。

こうした目標を達成するためには、困難な問題も出てくるでしょうが、自分の成果目標を達成するために、そうした問題をどのように解決すればよいのか、あなた独自のやり方を加えながら考えてください。そのうえで、「考えたことをすぐに実践する」ということを繰り返していきます。当初の予定どおりに目標が達成できるときもあれば、できない場合もあるでしょう。しかし、こうした行動を通じて、目標に近づくという経験をすれば、コンピテンシーと成果との関係が見えてくるはずです。

本稿は、川上真史監修、通信教育「めざせハイパフォーマー」のテキストの一部を抜粋編集したものです。

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