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イノベーションリーダーの条件(2)~ポジティブに考える

イノベーションリーダーの条件(2)~ポジティブに考える

(2015年3月20日更新)

 
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イノベーションリーダーの条件を考える的場正晃のコラムの第二回。今回はリーダーに欠かせない「ポジティブな発想」について考えます。
 
*  *  *  *  *
 
 
今回はポジティブ思考の重要性を考えてみましょう。
 

 
エピソード「君ならできる!」
 
昭和2年、松下電器が初めてアイロンの開発を手がけたときのことである。
幸之助は若い技術者を呼んで言った。
「今、アイロンを他社がつくっているが、価格が高く、便利なものなのに多くの人に使ってもらうことができない。そこで、わしは合理的な設計と量産によって、できるだけ安いアイロンをつくり、その恩恵にだれでもが浴せるようにしたい。それを松下でぜひやり遂げたいのだがどうだろうか」 
 
技術者は、幸之助の熱意に感激した。
すかさず幸之助は命じた。「きみ、このアイロンの開発を、担当してくれたまえ」
ところがその技術者は、アイロンについては何も知らない素人である。当然辞退した。
「これは私一人ではとても無理です」
それに対する幸之助の言葉は、力強く誠意に満ちていた。
「いや、できるよ。きみだったら必ずできる」
そのひと言で青年の心は動いた。なんとかできるような気がしてきた。
「意義のある仕事です。及ばずながら精いっぱいやらせていただきます」
幸之助が願ったとおりの低価格で、便利な『ナショナルスーパーアイロン』ができあがったのは、それからわずか3カ月後であった。
 

 
何事もやる前から「できない」と考えたのでは、できることもできなくなってしまいます。イノベーションを実現するためには「必ずできる」と心の底から強く信じることが何よりも重要なのです。
 
ポジティブな発想については、単なる精神論ではなく脳科学の分野においてもその重要性が明らかになってきました。昨今の研究成果によると、「できない」というネガティブな発想をすると、脳はできない理由を探索し始めますが、逆に「できる」あるいは「どうすればできるか」というポジティブなことばや思いを持つと、脳はできる状態にするためのアイデアを探索すると言われています。
 
イノベーション・リーダーの果たす役割の一つは、前向きで可能性に満ちたエネルギーを周囲に与えることです。そうであるならば、日頃からポジティブな発想を心がけると同時に、部下・メンバーに対して「どうすればできる?」というポジティブ質問を投げかけるなど、地道な取り組みに徹することがイノベーション・リーダーを目指す人には求められるのです。
 
 
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的場正晃 (まとば・まさあき)
神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。現在は(株)PHP研究所経営理念研究本部研修事業部部長。

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