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メンタル面の強さを支えるもの

メンタル面の強さを支えるもの

(2011年6月14日更新)

 
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昨今、心身両面の疲労やストレスの蓄積によって、精神疾患を患う方が急増しています。一度、精神的な病気にかかってしまうと、完全に社会復帰するまではかなりの時間がかかりますし、最悪の場合は自殺にまで発展してしまうなど、その社会的損失は計り知れません。

 

こうした情勢の流れで企業も過剰に反応し、従業員の長時間労働をやめさせたり、業務上の負荷を軽減させたり、あるいは健康相談にのれるような仕組みを作るなど、さまざまな対策を講じています。これらの取り組みは、未然予防という観点から大切なことではありますが、問題解決の本質は違うところにあるような気がします。  

 

以前、聖路加国際病院・理事長の日野原重明さんにお目にかかりました。99歳の日野原さんは、今なお現役医師であり、講演や執筆を通して人間としての生き方を啓蒙しておられます。毎日、早朝から深夜まで分刻みの忙しさで活動していますが、日野原さん曰く「一向に疲れない」そうです。その原因は、自分にはまだ達成途上の目標があり、日々その達成に向けて一歩一歩実現しつつあるという実感を持てていること、またその過程で確実に世のため、人のためにお役に立っているというお役立ち感を味わえること、それらが精神的な充実につながり、疲労を感じさせないというのです。常識からいえば、100歳になろうとする方がほとんど休みを取らず激務をこなすということは健康上、好ましくないことです。しかし、日野原さんの場合は無理をしてもまったく健康を損ねない、その理由が「精神的に充実しているから」というのです。

 

このお話から、私たちが学ぶべき点はたくさんあるように思います。メンタルヘルス・マネジメントというと、とかく、労働時間の削減や労働環境の改善などに注目が集まりがちです。それらはもちろん大切ではありますが、それとあわせて、一人ひとりが活き活きと仕事に励めるような環境づくりも大切であると思うのです。(たとえば、一人ひとりの働く上での目標を明確にするようなキャリアデザイン研修の実施や、この仕事は社会的にどういう意味があるのかといった企業ミッションの共有を図る機会を社内で設けるなど)

 

一人一人が毎日の仕事に意味と使命感を感じ、その仕事を通じて成長感や充実感を味わえるような職場環境を作っていくことも、メンタルヘルス・マネジメントを成功に導く重要なファクターの一つであるように思われます。 

 


 

的場正晃 まとばまさあき

 

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。

現在は㈱PHP研究所 教育出版局 研修企画部部長。

経済産業大臣認定 中小企業診断士     


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