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感じる力

感じる力

(2011年7月13日更新)

 
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昨今、自社の『行動指針』や『求める人材像』の中で、「感じる力」の重要性を強調する企業が増えてきました。

 

感じる力は、ビジネスで成果を上げる上で欠かせないコンピテンシーのひとつですが、上記のような動きがあるということは裏を返せば、現代のビジネスパーソンの感じる力が低下していることを意味しています。

 

  商談の場面で、お客さまが今、どういう心理状況にあるか?

  自分の仕事振りが周りの人にどういう影響を与えているのか?

  社会の変化がどんな影響を及ぼし、これから何が求められるのか?

 

こうした事柄に対する感性を研ぎ澄ましていなければいい仕事ができないことは言うまでもありません。しかし、情報通信技術の進歩によるフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションの減少、行き過ぎた成果主義人事の影響による他人への無関心、定型化された業務の中での仕事の意味の喪失、などが要因となって、現代人の感じる力が急速に麻痺してしまったようです。

 

では、どうすれば「感じる力」を養い高めることができるのでしょうか。例えば、CS教育を例に考えてみましょう。どんなに一流の講師から、サービスの重要性に関して懇切丁寧なレクチャーを受けたとしても、それだけでは頭の理解にとどまるだけです。しかし、その学びを実践に移し、いいサービスを提供してお客さまから誉められる、あるいは逆に提供したサービスに関してお叱りを受けるという体験を経れば、その人は今後、仕事をする上でサービスの品質にこだわり続けることになるでしょう。こうした教育こそが「感じる力」を高める理想の教育であり、その要諦を一言で言えば「実践とフィードバック」と言えるのではないでしょうか。

 

松下幸之助は、「教えの手引きは、この体験の上に生かされて、はじめてその光を放つ。単に教えを聞くだけで、何事もなしうるような錯覚をつつしみたいと思う」と延べ、実践・体験を生涯大切にしてきました。

 

「感じる力」を開発する上で、そのアプローチの仕方は会社ごとに変わるとは思いますが、どんな会社にも普遍的に通じることは実践とフィードバックを基本理念とした教育(いわゆるアクションラーニング型教育)を志向すべきであるということです。

 

多くの企業で従来の人材育成のあり方が見直され始めていますが、「感じる力」を持った人材をいかにして育成するか、この機会にぜひ真剣に議論を尽くしたいものです。

 


 

的場正晃 まとばまさあき

 

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。

現在は㈱PHP研究所 教育出版局 研修企画部部長。

経済産業大臣認定 中小企業診断士     

     


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