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研修効果は測定できるのか?

研修効果は測定できるのか?

(2011年8月12日更新)

 
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企業を取り巻く環境が厳しさを増す中で、人材育成に対する投資効果がこれまで以上に厳密に問われるようになってきました。人材育成(特に研修)の効果を測定する取り組みは欧米で進んでおり、そのための手法として、カーク・パトリック法や、ジャック・フィリップス法、BEM(Behavioral Engineering Model)法などが開発され、多くの企業で導入されています。  

 

ただし、ここで注意すべきは、いずれの手法も研修受講による知識習得度と行動変容度を測定することが目的であって、研修実施が業績向上にどれほど貢献しているかを測定するものではないということです。とかく、日本の企業では人材育成担当者が集合研修などの実施の稟議を上げた際に、経営トップから「この人材育成投資がどれほどのリターンとなって返ってくるか、具体的な数字で示せ」と問われることが多いですが、こうした話を聞いたある欧米企業のCEOが、「そんなことを言うトップがいる会社は生き残れないだろう」と述べたそうです。研修効果測定に熱心な欧米企業は、研修と業績との相関関係を定量的に把握することに意識を傾けていると思いがちであるが、実際は前述のように、知識習得レベル、行動変容レベルでの効果を測定しているだけであって、業績との関わりにはこだわっていないのです。

 

こうした研修効果測定に対する欧米企業と日本企業の考え方の違いは、人材育成に対する経営者の捉え方の差から来ているように思われます。人材育成を重要な経営課題の一つと見なし、経営トップが全面的に研修などにかかわり、その結果としての業績責任はトップが負う、という欧米企業と、人材育成は担当部門の仕事であり、トップにはほかにやるべき重要な仕事があると考えられることの多い日本企業。欧米企業がすべて正しいとは思いませんが、会社全体で人材育成に取り組もうという姿勢はわが国の企業が見習ってもいいのではないでしょうか。 

 


 

的場正晃 まとばまさあき

 

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。

現在は㈱PHP研究所 教育出版局 研修企画部部長。

経済産業大臣認定 中小企業診断士     

       


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