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GIVEできる人材とは

GIVEできる人材とは

(2011年8月31日更新)

 
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自動車関連業界に特化してビジネスを展開する人材派遣会社のA社(本社:名古屋市)。1998年の設立以来、確実に成長し続け、今や中部地区における存在感を増しつつあります。

 

競争の激しい人材派遣の業界にあって、知名度もない、会社の歴史もない、お金もない、まさに「ないないづくし」の同社が、なぜこれほどまでに成長できたのでしょうか。そのヒントは、この会社が大切にしているバリューにあるように思われます。

 

A社は、「『元気を与える会社』を目指す!」をモットーに、取引先やクライアントを活性化し、それぞれの事業を発展させることを自分たちのミッションととらえ、その実現のために愚直な努力をしています。中でも教育には並々ならぬ情熱を傾け、前述の自社の考え方を派遣社員に理解させるとともに、派遣先で自分たちに何が出来るかを考えさせる教育を徹底的に実施しているそうです。

 

こうした取り組みが功を奏し、クライアント企業からは、「A社の人が来ると、職場がぱっと明るくなる」という評価を獲得するようになり、契約期間が長期化・安定化するとともに、評判を聞きつけた企業からの新規契約も増え、結果としてビジネスの拡大につながっていったということです。

 

このA社の事例は多くのことを示唆しています。「顧客の利益になることを真剣に考え、貢献した度合いに応じて利益が得られる」というビジネスの定石は誰もが頭では理解していますが、いざ実行となると非常に難しくなります。それを実践し続ける「実行力」こそが、A社の強みといえるでしょう。ある経営者が、「現代のビジネスでは、Give&   Takeではなく、Give&Give&Give&Takeくらいに考えたほうがちょうどいい」と述べていましたが、A社はまさにこのことばを実践している事例と言えるでしょう。

 

松下幸之助は、「与え与えられるのが、この世の理法である。与えるというのは、わかりやすくいえば、サービスするということである。自分の持っているもので、世の中の人びとに精いっぱいのサービスをすることである。」と述べ、奉仕の精神の重要性を説きました。

 

とかく短期的な視点で結果を求め、損得勘定を最優先させて物事を判断しがちな社会風潮ではありますが、だからこそ奉仕の精神をもって、顧客や取引先、社内の上司・部下・同僚など、自分以外の人すべてに「Give」できる人材を育てておくことは、他社とのサービス競争に勝ち残るための競争優位を築くことになりうると思われます。

 

そういう観点から、今一度、自社の人材育成の現状を棚卸してみて、Giveできる人材がどれだけ育っているか、確認してみてはいかがでしょうか。

 


 

的場正晃 まとばまさあき

 

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。

現在は㈱PHP研究所 教育出版局 研修企画部部長。

経済産業大臣認定 中小企業診断士     


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