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退路を断つ

退路を断つ

(2011年9月30日更新)

 
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ここ数年、政治、経済、教育等、あらゆる場面で改革の必要性が叫ばれておりますが、その改革が成功し、事業や組織が再び輝きを増している事例はまことに少ないのが現状です。ではなぜ、改革は成功しないのでしょうか。その原因をひとことで言えば、どこかに逃げ道があることが考えられます。 

 

「火事場の馬鹿力」ということばがあるように、人はだれでも、ほんとうに追い詰められ、逃げ場を失った時に最大限の能力を発揮すると言われています。しかしながら、人生において、仕事においてほんとうの意味での「火事場」というものを体験することは稀ですし、ましてや意図的にそういう局面を作り出すということは考えも及ばないことです。

 

しかし、真の改革を成し遂げた人たち、例えば、ヤマト運輸の故・小倉昌男氏や日産自動車のカルロス・ゴーン氏などは、自ら退路を断ち、この改革が成功しなければすべてが終わってしまうという甘えが許されない状況に自らを追い込むことで改革を成し遂げてこられました。このように捨て身の覚悟を決めることこそ、改革を成功に導く推進力となるのであり、また結果としてその人を成長させるドライバーとなりうるのです。

 

人材育成という観点に立って、企業における取り組みの状況を振り返ってみますと、現場において上司が部下の甘えを許さず、退路を立つような気概を持った指導がなされているでしょうか。(メンタルヘルスの観点から、過度に追い込むことは避けなければいけませんが。)それほどの厳しさをある面では持たないと、これからの時代を生き抜く人材は育ち得ませんが、その際に大切なことが、上司自らが率先して退路を絶ち、自分を厳しく律する覚悟を持てるかどうかということです。

 

松下幸之助は、覚悟について以下のように述べています。

「すべてのことにおいて、いろいろの姿で刻々に“覚悟はよいか”と問われているのである。そのことをみずから察知して、自問自答するかしないかは、その人の心がけ一つであろう。」

 

上司、部下ともに、退路を断ち、甘えを排する覚悟を決めることから、一人一人の成長、組織の活性化が実現するのではないでしょうか。 

 


 

的場正晃 まとばまさあき

 

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。

現在は㈱PHP研究所 経営理念研究本部 教育研修部 主幹講師。

経済産業大臣認定 中小企業診断士     


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