課長職にマネジメントの革新を!
RSS

危機意識が人と組織を育てる

危機意識が人と組織を育てる

(2011年12月 1日更新)

 
  • はてなブックマーク
  • Yahoo!ブックマーク
  • Check

激動の2011年も残すところ、1ヶ月を切りました。大震災・原発事故からの復興が思うように進まない上に、国家の財政再建の道筋が見えないなど、短期的にも中長期的にも不安を感じることの多い一年であったといえるのではないでしょうか。 

 

日々の新聞紙上やテレビ番組を通して流される暗いニュースを見聞きするたびに、先行きに対する不安から、つい溜息を吐いたり、浮かない表情をしてしまいがちです。しかし見方を変えれば、この難局が人々の意識改革を促し、組織における構造改革と新しいビジネスチャンス創出のきっかけになりうると考えることもできるでしょう。

 

歴史的に見て、わが国の産業界がここまで発展を遂げることができた原点は、第二次世界大戦の敗戦にあったと言われています。すべてが破壊され、生活もままならない極めて厳しい状況の中でも国民が希望を失わず必死に働き、新しい国づくりに邁進していった過程で優秀な人材と独創性のある企業が輩出されたのです。困難な状況を乗り越えることによって、以前よりも発展した事例などは、これ以外にもたくさん存在するものであり、ハーバード大学のJ・コッター名誉教授が提唱している「危機的状況こそが新たな発展の源になりうる」という考え方は真理に近いと言えるでしょう。

 

そうであるならば、今、困難に直面している私たちに求められているのは、目の前の事象をプラス思考で捉え、前向きな気持ちで真向かうスタンスを確立することではないでしょうか。そのためには、職場においてお互いがこまめに声をかけあって、プラス思考で仕事に取り組めるような雰囲気をつくっていくことが極めて大切になってきます。

 

大手金融機関のA社では、仕事中に後ろ向きな言動をしたり、暗い表情をした人に対して「罰金」100円を徴収する運動を始めました。各職場で貯まった罰金は忘年会や新年会の費用に充てるそうですが、ちょっとした遊び心を盛り込みながらも何とか職場の雰囲気を明るくしたいというこの会社の強い思いを感じることができます。

 

厳しい状況の時に、暗い表情や後ろ向きの発想をすることは簡単なことです。しかし、そんな厳しい環境の中でも、一人ひとりが、使命感をもって前向きになすべきことをなし続けるような風土をつくることができれば、その経験はかけがえのない大きな財産となって、いつしか個人と組織に還ってくるでしょう。

 

「未曾有の国難」は、人と組織を強くする絶好の好機でもあります。この時期、何をすべきかを考えることは、人材マネジメントの観点からも重要な課題といえるのではないでしょうか。 

 

 


 

的場正晃 まとばまさあき

 

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。

現在は㈱PHP研究所 経営理念研究本部 教育研修部 主幹講師。

経済産業大臣認定 中小企業診断士       


メールマガジン

更新情報をメルマガで!ご登録はこちらからどうぞ