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「青臭い」議論による人材育成を

「青臭い」議論による人材育成を

(2011年12月15日更新)

 
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先日、弊社主催のシンポジウムに、「最も影響力あるビジネス思想家トップ20」※1に日本人で唯一、ランクインした野中郁次郎氏(一橋大学大学院・名誉教授)と、企業の実務家2名をパネリストにお招きし、「これからの日本企業に求められる人材」と題して、講演とパネル討議を行いました。

 

冒頭、野中教授から示された「不確実な時代のリーダーシップを支える6つの能力」※2という概念をフレームワークとしながら、2社の事例を織り交ぜた議論が展開されました。6つの能力の一つである「善い」目的をつくるということに関して、パネリスト企業A社(総合商社)では、不祥事を機に人事評価の基準を見直し、成果を出したか否かという定量評価から、「良い仕事」をしたかどうかという定性評価に軸足を移しました。ここで言う「良い仕事」とは、常に社会のお役にたつ仕事を生み出すことを指していますが、こうした概念を掲げることによって、正しいことを実践できる人材が輩出されつつあるという報告がありました。


一方のパネリスト企業B社(総合飲料メーカー)からは、市場占有率の低下に歯止めがかからない苦しい状況の中、「日常業務」と「理念の実践」がリンクするような取組みをしたところ、現場の力が高まり、業績が回復したという事例の紹介がありました。
 

いずれの企業でも、新しい取組みを始めるにあたっては、現場の抵抗感が強かったそうですが、それでもぶれずに一貫したメッセージを送り続け、現場での対話を繰り返すことによって、個の変革と組織の変革が実現したのです。


今、大切なことは「何のために我々はこの仕事をしているのか」といった青臭い議論を現場で繰り返すことではないでしょうか。仕事観や人生観といった根本的な問いに根ざした青臭い議論も何度も何度も繰り返せば、やがて臭みが抜け、当たり前の常識に変っていくでしょう。「仕事を通じて世のため、人のために役に立つ」という考え方が、当たり前の常識として現場に定着したとき、閉塞感を打破するパワーが生まれ、同時に人が育つ土壌もできるのではないでしょうか。要は、そこまでやり抜くしつこさとぶれない信念があるか否かが、組織の人材育成に大きな影響を与えるように思いますが、みなさまの所属する組織の現状はいかがでしょうか。

 

※1

“Quest for Innovation,Motivation-Inspires the Gurus”.The Wall Street Journal Online,May 5,2008

※2

①「善い」目的をつくる能力、②場をタイムリーにつくる能力、③ありのままの現実を直観する能力、④直観の本質を概念化する能力、⑤概念を実現する政治力、⑥実践知を組織化する能力

 


 

的場正晃 まとばまさあき

 

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。

現在は㈱PHP研究所 経営理念研究本部 教育研修部 主幹講師。

経済産業大臣認定 中小企業診断士       


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