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じっくり腰をすえた人づくりを

じっくり腰をすえた人づくりを

(2012年6月 1日更新)

 
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「基礎学力の低下」「学習意欲の個人差の拡大」などの弊害が指摘され、小中学校では既に廃止された「ゆとり教育」。このゆとり教育を受けた、いわゆる「ゆとり世代」の人たちが、社会人としてビジネスの現場に入ってきてから数年が経ちましたが、受け入れ側の上司・先輩はその指導・育成に苦慮しているようです。 

 

ゆとり世代の若者を育てるためには、まず考える癖をつけさせることが肝要です。思考力を高める上で、上司が部下に対して」のつく質問を投げかけることは効果があります。

 

例えば、部下が何らかの問題を抱えて、その対応策を求めて上司のところに相談に来たとき、即座に「こうしなさい」「ああしなさい」と答を与えるのではなく、「君ならういう対応を取る?」というように、逆に問いを投げかけるのです。

 

こうしたやり取りが現場に定着すると、部下の側に「上司に相談に行くと、自分の考えを聞かれる」という認識ができ、相談する前にまず自分の考えをまとめようということになります。これ以外にも、思う?」「うしてこうなった?」などといったつきの質問を多用することで、ゆとり世代の若者の思考力を徐々に高めることができるのです。

 

こうした指導方法の欠点は時間がかかるということです。質問を投げかけ、考えさせ、答えを返すまで待つわけですから、当然時間がかかるし、根気も要ります。スピードが求められる時代、そんな悠長なことをやっていては競争に負けてしまうという意見も当然あるでしょう。しかし、本来人間は促成栽培などできるものではなく人と人がしっかり向き合い、時間をかけてじっくり、共に育っていく状態(=共育)に高まっていく営みこそが、人づくりの本質なのです。

 

人材育成に投下する時間とお金は投資であり、必ずそれ以上のリターンが得られるもの。「ゆとり世代」が職場に増え続ける今こそ、そのような信念をもって、じっくりと腰を据えた人づくりに取り組む時期に来ているのではないでしょうか。 

 


 

的場正晃 まとばまさあき

 

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。

現在は㈱PHP研究所 経営理念研究本部 教育研修部 主幹講師。

経済産業大臣認定 中小企業診断士            

  


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