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コミュニケーションの本質とは

コミュニケーションの本質とは

(2012年11月16日更新)

 
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先日、ある企業の人事担当者を訪問したところ、「個人情報保護法の影響でセキュリティが厳しくなり、隣の部署へ行くにも、IDカードを使って何枚ものドアをくぐりぬけないと行けなくなった」と嘆いていました。

 

もともとこの会社は、オープンな社風で、社内のいたるところで部門を越えた「ワイガヤ」(ワイワイガヤガヤ、自由に議論すること)が行なわれ、それが新たな発想・価値を生み出し、同社の成長の原動力となっていたそうです。

 

ところが、前述のような厳重なセキュリティに加え、何でもメールで済ませる仕事の進め方や、必要以外の話をしたがらない若い人たちの意識などが、物理的・精神的な壁となって、社員どうしのコミュニケーションの質と量が著しく低下しつつあるということです。

 

このようなことは、程度の差こそあれ、どの会社でも見受けられることではないでしょうか。いったん、組織が“蛸壺(たこつぼ)状態”になってしまうと、新たな発想や、付加価値を生み出す活力が損なわれてしまいます。かつてカルロス・ゴーン氏が、クロスファンクショナル(組織横断型)チームをつくって日産自動車を立て直したように、人と人との間に「思い」や「情報」を環流させ共有化することが、強い組織をつくっていくのです。

 

このことに気づき、定期的に「ワイガヤセッション」を実施したり、社員どうしが何でも自由に話し合う場を設けるなど、コミュニケーション円滑化のための取り組みをする企業が増えてきました。このように、会社が場をつくって、社員どうしのよりよいコミュニケーションを図ることは、もちろん大切なことです。しかし、もっと重要なのは、社員一人ひとりがコミュニケーションの重要性に気づくことではないでしょうか。

 

なぜ、コミュニケーションを図らなければならないのか? 

もしコミュニケーションが円滑にいかない状況のままでいると、どうなってしまうのか?

 

こうしたテーマを投げかけ、職場単位で考え合ってもらうことは、社員の意識を変える上で案外効果があるものです。そして、コミュニケーションの重要性を一人ひとりがしっかり理解できれば、その改善のための動きが現場から自律的に立ち上がるはずです。 

 

よりよいコミュニケーションを妨げる要因の多い現代のビジネス環境であるからこそ、コミュニケーションの重要性に気づかせる取り組みが、今後ますます重要性を増すことと思われます。

 


 

的場正晃 まとばまさあき

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。現在は(株)PHP研究所 経営理念研究本部研修事業部部長 。


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