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不況の今だからこそできる人材育成

不況の今だからこそできる人材育成

(2010年12月 1日更新)

 
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一部の統計指標に回復の兆しは見え始めているものの、未だ日本経済は不況から完全には脱し切れていません。企業の収益回復の基調は鈍く、その影響で多くの企業がこの先数年間の新卒採用数を大幅に抑制するであろうという予測がなされています。 ※1 

 

職場に新入社員を迎えるということが上司や先輩のいい刺激になっているとするなら、その数が減るということは組織の活性化に少なからぬマイナスの影響を及ぼすことは想像に難くありません。

 

しかし、視点を変えればこういう時期だからこそ、ほんとうの人づくりができるとも言えるのではないでしょうか。製造業A社では、数年前までは複数の新入社員を一人の指導員が指導・育成していましたが、採用数が減った昨年からは、新入社員一人につき一人の指導員を当て、マンツーマンのきめ細かい指導を行なっています。

 

また、IT企業I社や食品メーカーA社など、指導員を社内公募する会社も増えています。人を指導・育成する上で、教える側にその意欲や情熱がなければ、決して人を育てることなどできません。その当たり前の原則に則り、新入社員の指導・育成を厭わず前向きに取り組む人材に指導員を任せることが、最近の採用状況のもとでは可能になりつつあるのです。このことにより、育成のレベルとスピードを上げるとともに、指導員自身の共育(共に育つこと)も促進することが期待されているのです。 ※2

 

人材育成投資のための原資確保という観点からは、今次の不況は好ましくない状況と言えるでしょう。しかし、採用数が少ないからこそ、一人ひとりに対するきめ細かな育成ができるのであるし、厳しい時代だからこそ人材が鍛えられるのであって、またとない実地教育の好機であるとも言えるのではないでしょうか。

 

松下幸之助は「好況良し、不況また良し」と述べ、どんなときでも視点を変えれば必ずピンチがチャンスに転じると信じていました。次年度の教育計画策定時期にあたり、視点を少し変えて、不況を逆手にとった効果的な人材育成のあり方を考えてみたいものです。

以上

 

                       PHP研究所 教育出版局

研修企画部・部長  的場正晃

 

※1 リクルート ワークス研究所の調査結果より

※2 学習定着率という観点から、最も効果の高い学習スタイルは「他者に教えること」であるとされている

 

 

的場正晃 まとばまさあき

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。

現在はPHP研究所教育出版局研修企画部部長。経済産業大臣認定 中小企業診断士


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