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厳しさとコミュニケーション

厳しさとコミュニケーション

(2013年2月15日更新)

 
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最近の多くの職場では、上司が部下を厳しく叱責する場面が少なくなりました。その背景には、若者が精神的にもろくなっており、ちょっとした上司の言動がきっかけでメンタルダウンを起こしかねないこと、またそうなってしまうと、パワハラや管理不行き届きとして上司の責任が問われる恐れがあること、などの要因があるように思われます。

 

職場から厳しさが失われ、優しい、ものわかりのいい指導者ばかりになってしまうと、組織は徐々に弱体化していきます。関西に拠点を置くプロ野球の某人気球団はここ数年低迷が続いていますが、かつての厳しい監督がチームを去り、優しい指導者が監督として選手の指導・育成にあたっていることが、その原因であると多くの専門家が指摘しています。人間は概して易きに流れる傾向があります。したがって、組織としての成果を上げるためには、やはり厳しい指導、厳しいマネジメントが必要になるのです。

 

しかし、前述の通り、厳しく接することができない上司が増えているのが多くの組織の実態です。それは、メンタルヘルスやパワハラの問題もありますが、上司と部下との人間関係に大きな問題が隠されているように思われます。

 

中国古典『呻吟語』には、次のようなことばがあります。

 

君子教人而後責人、体人而後怒人

君子は、相手を責める前に教えることを優先させ、

相手を怒る前に相手の身になって

考えてやることを優先させる

 

上司が厳しくなるためには、日頃からよく教え諭し、親身になって相談にのってあげることが大切だ。この二つがあれば、厳しく叱っても相手はきちんと受け止め、成長の糧にするだろう。現代風に解釈するとこんなところでしょうか。

 

人を育てる上で大切なことは、相手が厳しさを前向きに受け止めることのできる信頼関係を構築しておくこと。そのためには、指導者がまず、相手に興味関心と愛情をもって接し、円滑なコミュニケーションによって相互の絆を強める必要があるでしょう。そこから人が育ち、持続的な成果を生み出す「強い組織風土」が醸成されていくのです。

 

新入社員を迎える前に、自社、自組織のコミュニケーションに課題がないか、改めて見直してみてはいかがでしょうか。

  


 

的場正晃 まとばまさあき

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。現在は(株)PHP研究所経営理念研究本部研修事業部部長  。


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