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人を育てる「どつき」の質問

人を育てる「どつき」の質問

(2013年3月 1日更新)

 
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昨今、若い人たちを中心に考える力が急速に低下していると言われています。(若い人たちだけではないかもしれませんが…。)

 

ビジネスの現場においても、上司から仕事の「基本」を教わっても、常に変化し続ける状況に合わせて、それを「応用」することができない、何か問題が生じるとすぐ解決策を上司に求める、仕事に対する自分なりの創意工夫がない、等々、いつまでも独り立ちできない社員が増えてきたという嘆きの声をよく耳にします。

 

変化の激しい時代、現場にいる一人ひとりが目の前の事象から瞬時に判断を下せるようにならなければ、グローバルな競争に勝てないことは明白であり、「考える力」を組織全体で向上させることは重要なテーマであると言っても過言ではありません。

 

考える力を養い、高める上で効果を発揮するのが、「どつき」の質問です。どつきの質問とは、部下が相談や報告に来た際に、すぐ指示・命令をするのではなく、「どうして」「どのように」「どれを」など、頭に「ど」がつく質問を返して、今後の対応策などを部下に考えさせるようにはたらきかけることなのです。こうした質問を常に投げかけられるうちに、部下は徐々に自分で考え、自立的に行動できるようになるというわけです。

 

どつきの質問の名人の一人が、松下幸之助であります。彼は、部下が問題を抱えて相談に来ると、話を全部聞き終わってから、必ず「君ならどうするんや?」と逆に質問を返したそうですが、そうした評判が松下電器の社内に広まり、松下幸之助に相談や報告に行く前には必ず自分なりの考え方や解決策をまとめなければいけない、という暗黙のルールができあがったそうです。「松下電器はモノを作る前に人を作る」と言われたように、草創期の同社からは実に優秀な人材が数多く輩出されましたが、こうした「問いかけ」の組織風土があったことと人の成長とは無縁ではないと思われます。

 

現代のビジネスにおいても、会社の発展のためのみならず、社員一人ひとりが仕事を通じて成長し、より良い人生を送るために、上司の立場にある方は、部下に対してどつきの質問を投げかけて、考える力を持った人材へと成長させる責任があるのではないでしょうか。

 


 

 

的場正晃 まとばまさあき

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。現在は(株)PHP研究所経営理念研究本部研修事業部部長  。


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