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組織変革に求められる「素直な心」

組織変革に求められる「素直な心」

(2013年5月15日更新)

 
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多くの組織で変革の必要性が叫ばれていますが、思うように変革が進んでいるケースは稀なようです。変革が進まない理由はいくつか考えられますが、最大の要因は、変革の担い手となるべき人たちの囚われたものの見方・考え方に起因していると言っても過言ではないでしょう。

 

かつて、問題の多かったソニー厚木工場の再建を託されてまったくの異業種から同工場長に就任し、見事再建を果たした小林茂氏(故人)は、当時を振り返って以下のように述べています。

 

「工場のことがまったくわからない私は、ひたすら工場の中を歩き回って、わからないことや疑問に思うことを聞き続けるしかなかった。しかし、先入観念がなかった分だけ、白紙の心で事実をありのままに見ることができ、問題解決の真因をつかみとることができた」

 

この発言は、変革成功の要諦を言い尽くしているように思われます。私たちは何か問題にぶつかった時、とかく過去の経験や体験から、その問題解決のヒントを得ようとしがちですが、激変する現代の経営環境の下では、過去の成功パターンや常識が通用しない可能性が高まっています。こんな時代においては、むしろ過去の経験や常識をいったん捨て去り、ゼロベース思考でものごとをあるがままに見ることが重要になるようです。実際、変革を成功に導いたトップはいずれも業種や国籍の異なる企業の出身者であったことからも、従来その組織で当然とされていた考え方や常識にとらわれない柔軟性が大切さであることがうかがい知れます。

 

松下幸之助は、「素直な管理・監督者心」という表現で、とらわれや偏りのない心の状態がいかに大切かを事あるごとに力説していましたが、同時にその境地に至る難しさも指摘しており、「だからこそ素直な心になろうと日々、自分に言い聞かせなくてはならない」と述べています。

 

さまざまな経験や学習を重ねて知識や知恵を蓄積する一方で、それらにとらわれず、時にはすべてを無にしてゼロベースでものごとを見ることができる心の融通性・柔軟性を確保する――。

 

たいへん難しい課題ではありますが、そのことにチャレンジし続ける過程で、ものごとの実相を見抜く「眼力」や「叡智」が高まり、真のチェンジリーダーに向かって、少しずつ進化していけるのではないでしょうか。 

 


 

的場正晃 まとばまさあき

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。現在は(株)PHP研究所経営理念研究本部研修事業部部長


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