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シニア社員活性化のポイント

シニア社員活性化のポイント

(2014年7月31日更新)

 
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シニア社員の活用・活性化が、今後の企業経営のカギを握るといっても過言ではありません。そのポイントについて、PHP研究所研修事業部長・的場正晃のコラムです。
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『高年齢者雇用安定法』の改正により、希望者全員の65歳までの継続雇用が義務付けられました。これによって、労働力不足をシニア社員の活躍によって補う素地ができたとも言えますが、その一方で「やる気のないシニアが多い」「年下の上司とシニアの軋轢が絶えない」などの問題があるのも事実です。今後、70歳までの継続雇用の義務化が予想される中、シニア活性化が大きな経営課題であることは間違いありません。
 
 

シニア活性化 3つのポイント

 
シニア活性化のポイントは大きく分けて三つあります。
 
一つ目は、仕事に納得感をもたせることです。現役時代と違う仕事に就いてもらう場合、これまで身につけた専門性が役に立たないケースもあります。新たな知識・スキルがなかなか身につかない、他人に聞かないとまったく進まないという職場や仕事はストレスの源になりがちです。また、意味や価値を感じない仕事をすることも大きな苦痛になります。だからこそ、上司とシニア社員が充分話し合って、その仕事を担当してもらう意義や期待を伝えることが大切です。「配属先の上司から詳しい仕事内容や役割の説明を受けていない」といったケースが案外多いものです。これでは正しい働き方やモチベーションの喚起にはつながりません。
 
二つ目が、シニアを受け入れる風土をつくることです。シニアに対して、尊敬の念をもってその存在を承認するような風土が職場にないと、不満や反発につながります。ある大手電機メーカーA社で再雇用されたBさんは、「上司から、『この仕事で定年延長してほしい』と言われた。給与面で不満がないわけではないが、それ以上に必要とされる実感がうれしかった」と述べています。シニア活性化のためのハード(賃金、制度)はいかんともしがたい部分が多いもの。でもそれを補ってあまりあるのがソフト(風土、マネジメント)の改善なのです。
 
三つ目が、自己責任意識を高めることです。会社に依存して仕事をするのではなく、自分でマネジメントを行い、自分らしく働く意識をもった人材を育てることが大切です。昨今、会社生活の節目(35歳、45歳、50歳など)で、キャリア研修やキャリアカウンセリングの機会を提供する企業が増えてきました。研修といっても、以前のようなライフプラン研修ではなく、自分の強みや価値観などを見つめなおし、今後の主体的な生き方・働き方について考える内容が主流です。自分の人生は自分で切り拓くという意識を、ミドル・若手社員のうちから身につけておくことは大事なことなのです。
 
 

シニア社員活性化の取り組みはブランド価値を高める

 
以上、三つのポイントをご紹介しましたが、いちばん大切なことは「シニア社員を活かす」という経営哲学を経営陣がもつことです。ドラッカーは、「長年真摯に働いてきた人が貢献できなくなったからといってクビにすることは間違いである。正義と礼節にもとる。そして社員の士気を低下させ、マネジメントへの不信を生む」と述べています。
 
会社がシニア社員をどうマネジメントするか、社内外のステークホルダーがいつも見ています。「シニア社員活性化の取り組みが、会社のブランド価値を高め業績向上につながる」という認識を社内に広めることが第一ステップと言えるでしょう。
 
 
 
的場正晃 (まとば・まさあき)
神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。現在は(株)PHP研究所経営理念研究本部研修事業部部長

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