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人材開発文化

人材開発文化

(2011年2月 7日更新)

 
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「企業は人なり」とは言い古された感のあることばですが、昨今の厳しい経営環境のもとでも成長を続ける企業を見るにつけ、このことばの正しさを実感いたします。各社とも自社の人材を育てるために、時間とお金と労力を投入していますが、期待以上の成果が上がっている企業は案外少ないように思われます。ではなぜ、人材育成の効果が上がらないのでしょうか。

 

その疑問に対する答えを提示してくれるのが「人材開発文化」注1という概念です。

 

人材開発文化とは、組織構成員に対し「変化する状況に適応し、新しい仕事のやり方を考え出す」よう奨励する規範を指しますが、このような文化が存在する組織とそうでない組織の間では人材の成長に格差が見られるというのです。米国での実証研究に基づいて導き出された概念ですが、わが国の産業界に置き換えても十分納得性のある考え方と言えるでしょう。 実際、厳しい環境のもとでも成長し続けている企業には、過去の成功や前例にとらわれることなく、常に新しい発想で仕事を進める企業文化が根付いていると言われています。こうした文化が、組織メンバーの発想を柔軟にし、積極果敢に挑戦する姿勢を後押しする結果、個人の成長と組織の活性化が実現するのです。

 

人材開発をパソコンに喩えるならば、人材開発文化が基本ソフト(OS)にあたり、研修やその他の取り組みをアプリケーションソフトにあてはめることができるでしょう。アプリケーションソフトが充分に機能を発揮するためには、しっかりしたOSを搭載することが絶対条件であるように、研修などの取り組みの成果を上げるためには、しっかりした人材開発文化を組織に根づかせることが不可欠なのです。

 

自社の人材開発に関して構想を練る際に、「どんな研修をどの程度実施するか」という研修計画を立てることはもちろん重要ですが、併せて「現場に人材開発文化が根づいているか」という視点から組織風土の現状を把握することも重要になるのです。

 

そのためには、社内に閉じこもって議論したりアイデアを出したりするだけではなく、実際に現場に足を運んで、そこで働く人たちと話をするなどして現場の文化を肌で感じるような取り組みが必要になります。 

 

人事・人材開発スタッフの方がたには、現場重視で行動する姿勢が今まで以上に求められていると感じる昨今ですが、いかがでしょうか。


 

(注1)

デイビスとイースタヴィスミスが5つの企業に勤務する60名のマネジャーに対してインタビュー調査を実施して、導き出した概念

 


 

的場正晃 まとばまさあき

 

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。

現在は㈱PHP研究所 教育出版局 研修企画部部長。

経済産業大臣認定 中小企業診断士  

 


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