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衆知を集めるマネジメント――ほんとうの傾聴とは

衆知を集めるマネジメント――ほんとうの傾聴とは

(2015年5月22日更新)

 
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絶え間ない創造と変革が求められる現代の経営環境において、「衆知を集めるマネジメント」はますます重要となってきています。

それでは、衆知を集めるには何が必要なのでしょうか。PHP研究所研修事業部長・的場正晃のコラムです。

 

*  *  *  *  *
 
 
新たな創造や変革なしには事業の存続が難しい現代の経営環境において、多くの知恵(衆知)を集め、そこからビジネスチャンスを見出すようなマネジメントが重要性を増しています。米国Google社の元CEO エリック・シュミット氏は、「一人の天才よりも、三十人の平凡な人間の意見を集約したほうが、結果としては良いものができる」と述べ、衆知を集めるマネジメントの重要性を説いています。
 
衆知を集めるためには、まず人の話をしっかり聴き取る必要があります。そのためには、アイコンタクト(相手と視線を合わせること)や、リアクション(相づち、うなずきなど)、ぺーシング(相手の話す速さなどにペースを合せること)など、スキルとしての「良い聴き方」(傾聴)が重要とされ、それらを強化するコミュニケーション研修が多くの企業で実施されています。
 
もちろんスキルも重要でそれを強化する取り組みを否定するものではありません。しかし、スキルだけでなく「相手の話を聴くことが自分にとって価値がある」と強く思うマインドを併せもつことが重要ではないでしょうか。
 
衆知を集める名人であった松下幸之助は聴き上手でもあったと世間一般では認識されていますが、幸之助から直接薫陶を受けた人たちは、少し違った意見をもっています。彼らの意見として、幸之助はスキルとしての良い聴き方を意識して実践していたのではなく、ただ単に、相手の意見や考えを知りたかったから素直に耳を傾けていただけだと主張しています。
 
病弱で学歴もなく、貧しい境遇をくぐり抜けてきた幸之助にとって、周りの人たちすべてが自分より優れている存在に見え、その人たちから教えを請おうと素直に思えたのでしょう。「相手に問いかけ、答えてもらうことは意味のあることだ」「目の前の人は私に価値ある情報を提供してくれる尊い存在だ」と、周囲の人を見ていたのです。
 
ここまで来ると、スキルだけではなく、相手をどう見るかという人間観が聴き方を左右するのです。もし、人に対する否定的な人間観をもった人が、スキルやテクニックだけを駆使して傾聴をしても価値ある情報を引き出すことは困難でしょう。したがって、衆知を集めるためには、スキルの前に「目の前の人は尊い存在だ」という肯定的な人間観で相手を見ることが大切になるのです。
 
「あなたはどういう人間観をもって人と接していますか?」
現場の最前線のリーダークラスの方々には、時々このような問いに向き合って、自身の現状と課題を振り返っていただきたいものです。
 
 
 
的場正晃(まとば・まさあき)
神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。現在は(株)PHP研究所経営理念研究本部研修事業部部長
 
 
 
 
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