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リーダーの必須条件は「できる人、できた人」であること

2020年1月27日更新

リーダーの必須条件は「できる人、できた人」であること

職場に大きな影響を与える管理監督者が、効果的なリーダーシップを発揮するための必須条件とは? 近年のリーダーシップ研究で明らかにされた知見をもとに、日々の行動レベルでの具体的なリーダーシップの鍛え方をご紹介します。

リーダーシップの2つの構成要素

「職場は一将の影」ということばがあるように、職場には責任者(=将)の姿勢・考え方が隅々まで反映されます。どんなに優秀な人材を集めて組織をつくったとしても、そこにリーダーシップがなければ、人々はバラバラになり、成果をあげることはできません。
リーダーシップとは、人の自主性ややる気を引出し、組織を動かす原動力になるものです。従って、組織の長たる管理監督者が強いリーダーシップを発揮できるか否かが、事業の成長・存続を左右すると言っても過言ではないのです。

そもそもリーダーシップを構成する要素は何なのでしょうか。数多(あまた)あるリーダーシップ研究の中で、これまで主流とされてきた考え方は
「リーダーシップとは、"能力的要素(仕事力)"と"人間的要素(人間力)"の二つから構成される」
というものです。

能力的要素とは、仕事をする上で必要とされる知識や技能のことで、そういう要素が秀でている人を称して、世間一般的に「できる人」と表現します。
一方の人間的要素とは、周囲をインスパイアするようなその人自身の生き方・働き方であったり、他者を思いやり支援するような、人への優しさや気配りなど、人間関係に影響を及ぼす要素のことです。この点に優れる人は「できた人」と称されます。
リーダーシップを発揮するためには、この両面を兼ね備えていること、すなわち「できる、できた人」であることが必須条件なのです。

人間的要素を高めるための四カ条とは?

能力的要素と人間的要素の両方を兼ね備えるといっても、管理監督者にとって難しいのは後者の人間的要素を高めることではないでしょうか。人間の内面に焦点を当てたリーダーシップ研究で有名な経営学者のピーター・M.センゲは、「瞑想」「学習」「奉仕」が人間性向上に影響を与えると主張しています。筆者は、それらに「感性」を加えた四つを、人間的要素を高める四カ条として提唱したいと思います。

「人間的要素を高める四カ条」

一.瞑想

就寝前に、その日の自分のあり方を振り返り、明日への教訓をひき出す
→自分を正しく知る力が強化される

二.学習
どんなジャンルでもいいから、新しい情報・知見を自分にインストールし続ける
→社会の変化に気づき、イノベ―ティブな発想力が鍛えられる

三.奉仕
世のため、人のために貢献しようという意識をもちながら日々の仕事に取り組む
→利他の精神が育まれる

四.感性
オンとオフのバランスを取って、心に栄養を与える
→感じる力、気づく力が高まる

リーダーシップ獲得は日々の取り組みから

こうした取り組みによって、その人の内面が豊かになり、人間的要素、すなわち人間性が向上するのです。そして、日々の仕事を通じてストレッチ目標にチャレンジし続けることで、リーダーシップのもう一つの構成要素である能力的要素が磨き高められ、前述の理想のリーダー像である「できる、できた人」に近づいていくでしょう。

しかし、一足飛びに理想の姿になれるわけではありません。人の成長の前提は反復・継続と言われるように、一歩一歩その理想の姿に近づく努力(プロセス)が尊いのです。やるべきことを愚直にやり続ける姿勢を管理・監督者が見せることで、職場にいい「一将の影」が反映されるでしょう。

参考文献:『出現する未来』ピーター・M.センゲ他、著(講談社)

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的場正晃(まとば・まさあき)
PHP研究所人材開発企画部部長
1990年、慶應義塾大学商学部卒業。同年PHP研究所入社、研修局に配属。以後、一貫して研修事業に携わり、普及、企画、プログラム開発、講師活動に従事。2003年神戸大学大学院経営学研究科でミッション経営の研究を行ないMBA取得。中小企業診断士。

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