課長職にマネジメントの革新を!
RSS

与えるマネジメントから引き出すマネジメントへ

与えるマネジメントから引き出すマネジメントへ

(2015年7月24日更新)

 
  • はてなブックマーク
  • Yahoo!ブックマーク
  • Check

先行きが不透明さを増す昨今、部下から現場情報や意見を“引き出すマネジメント”への切り替えが求められています。PHP研究所研修事業部長・的場正晃のコラムです。

*  *  *

 

右肩上がりの経済成長が実現していた時代は、上意下達のマネジメントが機能していました。上司が与える指示・命令に、部下が忠実に従うような組織が「強い組織」とされ、実際に成果をあげていました。

 

しかし、1990年代半ば以降、経済成長の鈍化とともに、市場環境の先行きが不透明さを増し、上司自身の経験値に基づく指示・命令が正確性・妥当性を欠くケースが増えてきました。そうであるにもかかわらず、「上司は常に部下に情報を提供しないといけない」「教えないといけない」「指示命令しないといけない」という信念をもって“与えるマネジメント”を一所懸命やっている管理職の方がたが相変わらず多数存在しています。もはや答えは、上司の頭の中にあるのではなく、現場にあるのです。そして現場の情報を掴んでいるのは、現場で仕事をしている部下の人たちなのです。

 

そうであるならば、管理職の方がたは、部下から現場情報や意見を“引き出すマネジメント”、すなわち下意上達のマネジメントへと、意識と行動を切り替える必要があるでしょう。

 

PHP研究所創設者 松下幸之助は、引き出すマネジメントを行う上での上司のあり方について、次のように述べています。

 

「僕がいつも考えてきたことは、ほとんど自分では何もできない、何もできない男や。手紙でも何でもよう書かん。全部人にやってもらう。だから、全部その人の出鼻をくじかない。(中略)それはたまには、『そういうことはあかん、やめとけ。そら、あかん』ということも十に一つはあると。けれども大部分は、『そら君、結構や。やったら、君、できるで。今できんでも、必ずできる。君、やれるはずや』と言うて、決して出鼻をくじかない。だから皆さんは、大体責任者の地位におるから、部下からの提案に出鼻をくじくような言動は断じてやってはいかん。それで、部下から無限の知恵が出てくるわけや。その知恵を吸い上げていったらいい。そうしたら、その人はどんどん伸びていくわけや」

 

この発言にあるように、管理職のマネジメントスタイルを切り替えるためには、自分一人の知恵には限界があることを認識したうえで、部下の知恵やもっている情報を引き出すようなコミュニケーションの取り方を学習する必要があるでしょう。与えるマネジメントから引き出すマネジメントへと、意識と行動スタイルが変わった管理職が増えるほどに、現場の力が高まっていきます。時代に合ったマネジメント教育ができているかどうか、自社の管理職教育の内容を見なおしてみてはいかがでしょうか。

 


 

的場正晃(まとば・まさあき)

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。現在は(株)PHP研究所経営理念研究本部研修事業部部長。

 


 

kacho.jpg

kachobn540.jpg


メールマガジン

更新情報をメルマガで!ご登録はこちらからどうぞ