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「教える」「育てる」――2種類のOJT

「教える」「育てる」――2種類のOJT

(2016年8月19日更新)

 
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人材育成の中心となるOJTではありますが、ミドル層が一手に担うために問題が起こりがちです。そこでOJTを、「教える」機能と「育てる」機能に分けて組織内で分担する考え方をご紹介します。

 

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企業における人材育成の中心がOJT(On the Job Training;仕事を通じた意図的・計画的・継続的な指導)であることに異論を唱える人は少ないでしょう。米国のコンサルティング会社・ロミンガー社が、「人が育つ上でどんな出来事が有益であったか」を調査したところ、[経験70%、薫陶20%、研修10%]といった結果が導き出されました。これら3つのうち、経験と薫陶がOJTの主な構成要素であるとするならば、人材育成の90%はOJTを通じてなされるという解釈が成り立つのです。 

 

では、企業の現場でOJTがどのように実践されているかといえば、若い人を指導する役割が、先輩社員や直属上司(チームリーダー、主任、係長)といったミドル層に委ねられているケースが多いのです。指導経験を通じて自身のリーダーシップが磨かれるという側面もありますが、ミドル層の方がたは第一線現場で最大の成果を上げることが求められており、それに加えてOJTの全責任を負わせるのは少々酷ではないでしょうか。 

 

組織の中でOJTは誰が担えばいいのか? その問いに対する答えを見つけるために、OJTを2つの機能―仕事力を高めるためにスキルや知識を「教える」機能と、人間力を高めるために経験を通じて「育てる」機能―に分けて考えてみましょう。そして、ミドル層にはスキル・知識教育に限定した「教えるOJT」を担わせ、人間力を高めるための「育てるOJT」は、経験豊富なベテラン社員が担うというように、明確な役割分担を行なうのです。 

 

このことにより、ミドル層の負担が軽減されるとともに、ベテランの経験や知恵が次世代に継承され、人材育成の精度が高まるのです。またベテランも、育成機能の一端を担うことで自身の存在意義を再確認することができ、やりがいとやる気を維持することができるでしょう。

 

若手が育ちにくい、ミドルの業務負担が大きい、ベテランのやる気が上がらない……。こういった、人に関する諸問題に対処するためにもOJTを機能別に分類し、ミドルとベテランが役割を分担して仕事力・人間力両面のバランスのとれた人材を育てていく、そんな仕組みを自社に構築していくことを、ぜひお奨めしたいと思います。

 

 

 


 

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的場正晃(まとば・まさあき)

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。現在は(株)PHP研究所 直販普及本部研修企画部部長。
 

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