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最近の若者の特徴と、効果的な新入社員研修

最近の若者の特徴と、効果的な新入社員研修

(2016年12月12日更新)

 
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年が明けると、各企業とも新入社員を迎える準備ということになります。そこで今回は、ここ数年の新入社員研修で受講生とふれあうなかで、あるいは各企業の人材開発ご担当者との会話から、私が感じる最近の若者の特徴、長所・短所をご紹介したいと思います。

 

最近の若者の特徴

 

最近の新入社員の特徴

(長所1)まじめ

少し前まで、新入社員のなかには「とがったヤツ」が一人や二人、混じっていたものです。はめをはずしたり、ルールを守らなかったりといったことも見られました。しかしここ数年、そうした人はあまり見られません。「まじめ」な人が多くなりました。

 

(長所2)仲間意識が強い

内定式などの機会にSNSでつながるのでしょうか、入社式で、新人同士があたかも数年来の友だちのように仲良く話している姿が見られます。彼らは、仲間同士のコミュニケーションが得意です。

 

(長所3)現実的

「失われた15年」といわれる時代に親が苦労しているのを見てきたためか、たとえば「将来の夢」といったような言葉は、彼らの心に響きません。現実的で、ある意味、地に足がついている、という印象を受けます。

 

(長所4/短所1)素直/受け身

とても素直な人が多いように思います。研修で与えた宿題も、言われたとおり、きっちりとこなしてきます。一方で、受け身の姿勢が強く、言われた以上のことはしない、という傾向があります。

 

(短所2)未熟な対人関係力

たとえば内定者同士など、自分と同質な相手とのコミュニケーションは得意ですが、異質な相手との関係づくりは苦手です。異質というのは年齢や立場の違う相手、つまり上司や先輩などとはなかなかうち解けません。また、SNSやメールなどバーチャルなコミュニケーションは得意ですが、対面でのコミュニケーションについては鍛えられていません。「めんどうくさい」という感覚を強くもちます。

 

(短所3)自己中心的

ある意味、自己中心的でベクトルが外に向いていません。皆さんもよく、電車のなかで化粧をしている若い女性を見かけることがあると思います。周りがジロジロ見ているのに気付かず、ひたすら鏡をのぞいている。ことほどさように、自分の行動が周りにどう受け取られるか、どんな影響を与えるかに考えが及ばない若者が多いように思います。

 

(短所4)精神面のもろさ

上司や先輩に叱られると、尋常ではない落ち込み方をします。時には職場を長期離脱することもあります。最近は「レジリエンス」と言われますが、復活する力、自ら立ち上がる力が弱いのも特徴の一つです。

 

新入社員が育ってきた環境――「3つの喪失」

こうした若者の特徴は、彼らが育ってきた環境においてつくられてきたものといえるでしょう。私はそれを「3つの喪失」とよんでいます。一つめが「リアルなコミュニケーションの喪失」。自分の発言が友だちを傷つけ、嫌な顔をされた。関係が悪くなった。逆に自分の行動・言葉が相手を励ました。――人はそうした体験によって、対人能力を身につけていきます。しかしバーチャルなコミュニケーションに傾きがちな彼らは、希薄で楽な関係を好む傾向にあり、対人能力を鍛える機会が十分ではなかったといえるでしょう。

次にあげられるのが「我慢する体験の喪失」。少子化の影響もあり、子どものころから親に、あるいは祖父母に何でも与えられてきた彼らは、我慢することなく成長しています。その分、我慢して何かを獲得したという喜びも少なかったのかもしれません。

三つ目が「考える機会の喪失」。彼らは脳みそをフル回転させて考えなくても、ネット検索で答えを見つけられた世代です。安易に答えを獲得できるという環境が、彼らから考える習慣を奪ってしまっているのかもしれません。

 

今どきの若者に効果的な新入社員研修

PHP研究所の新入社員研修では、こうした若者の傾向をふまえ、「受講生に待ちの姿勢を脱却させる」ことに主眼を置いています。

まずは、仕事をする上で必要とされる基本動作(読み、書き、話、考え抜く)を繰り返し、定着化を図ります。そして一度学んだ知識やスキルを実践する場を意識的に作り出し、「知っている、分かっている」を「できる」に変える働きかけをします。さらに、「なぜ働くのか」「どのような生き方が望ましいのか」を考えて、考えて、考え抜いていただきます。そうした体験が、彼らの内面のエネルギーを高め、受け身ではなく自ら一歩を踏み出す人へと成長させるのです。

 

松下幸之助は「人間は磨けば光るダイヤモンドの原石のようなものである」と言いました。まさに原石である彼らが、新入社員研修をきっかけに学生から社会人へと意識を切り替え、「人間力」豊かなビジネスパーソンへと成長してくれることを願ってやみません。

 

新入社員研修

 

的場正晃 (まとば まさあき)

神戸大学大学院経営学研究科博士課程前期課程にてミッション経営の研究を行ない、MBAを取得。現在は(株)PHP研究所経営理念研究本部研修事業部部長。


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