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トップが綴る わが人生の師~加賀屋会長・小田禎彦

トップが綴る わが人生の師~加賀屋会長・小田禎彦

(2013年11月26日更新)

 
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家業を継いで五十年。振り返ると、私の考え方、物の見方に最も大きな変化をもたらしたのは、ティム芦田氏である。

 

私と同年の彼は、五十年前に宣教師を目指して渡米し、紆余曲折を経てさまざまな企業の経営に携わってきた。わかりやすくご紹介すれば、(株)セブン&アイ・ホールデイングス会長・CEO伊藤雅俊氏の右腕となり、いったんは倒産した親会社の米国セブン-イレブンの立て直しに貢献した人物だ。

 

初めて彼と会ったのは、二十代後半の頃、立教大学恩師の野田一夫先生の誘いで参加した「アメリカにおける大型レジャー産業に学ぶツアー」だった。彼はツアーガイドを務め、すばらしい通訳で我々を未知の世界へ引き込んだ。単なる通訳ではなく、マーケットや背景を知りつくした説明は、まさしく“目からウロコ”だった。井の中の蛙だった私は、初めて世界の大きさと革新的な経営、マーケティング理論に圧倒された。

 

当時、旅館の企業化を目指していた私は、社員に「視野を変え視点を高めてものを見る」体験をしてもらおうと、彼に米国研修プログラム作成をお願いした。40カ所のホテル視察やカリフォルニア大学バークレー校でのルイス・P・バックリン教授の講義など多様な研修を通して、「マーケティングの原点はお客様の抱える問題解決で、誰よりもうまく早く解決できる企業が成功する」という思想が、自分を含む社員に広がっていった。

 

そして彼は、もう一つ重要なつながりをくれた。それは、寂れた港町から「観光」をキーワードにV字回復したカリフォルニア州モントレー市とのつながりだ。彼と懇意だった市長を訪ねると肝煎りで迎えてくれ、景気減速と過疎による衰退を危惧していた我々に、街づくりど人づくりの重要さを熱心に説いてくれた。その後、モントレー市と地元七尾市は民間の交流も活発になり、姉妹都市に発展した。以来、ずっと関わりつづけている私のために、モントレー市は、4月28日を「小田禎彦の日」と制定してくれた。

 

これまで社員200名を含む地元有志1000名が、彼の案内でアメリカの地を踏んだ。研修を終え帰ってくる人の心には、輝く希望の旗がひるがえっている。私もその一人だ。最初に彼と会って以来、世界への挑戦がテーマとなり、二年前には台湾で日本旅館を開業した。成功にはまだ遠いが、これからも日本のおもてなしで世界を狙っていくつもりだ。

 

株式会社加賀屋 会長 小田禎彦

 

出典:『トップが綴る わが人生の師』(2013年10月・PHP研究所 直販教育図書)


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