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中堅社員 信頼される第一歩は~松下幸之助「人を育てる心得」

中堅社員 信頼される第一歩は~松下幸之助「人を育てる心得」

(2017年7月26日更新)

 
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たとえば私が、社員の人に、「君、すまんが、こういう人のところへ電話をかけてくれんか。きょうの午後お会いする約束をしていたのだが、急に都合が悪くなった。“申しわけないがあすにしてほしい”ということを電話でお伝えしておいてくれ」と頼んだとします。
 
ところが、そのあとで、「先ほどの電話、かけておきました。先方さんもそれで結構だということでした」と、キチンと報告してくれる人と、そうでない人がいるのです。皆さんの場合はどうでしょうか。
 
きわめて些細なことのように思われますが、この、あとの報告をするかしないかということには、たいへんな違いがあります。というのは、頼んだほうは、多分、先方のご了解はいただけるだろうとは思いつつも、やはり結果が気になります。しかし、つぎからつぎへと仕事があって忙しくしていると、気にはなっても確かめることもできないでいる。そんなとき、ちょっとした機会に「先ほどの電話の件、あれはオーケーでした」と知らせてもらうと、非常に安心するわけです。
 
お得意先から何かの用件を、社内の担当の人に伝えてほしいと頼まれたような場合も同様です。その用件を間違いなく担当者に伝えれば、一応役目は果たしたことになるわけですが、その場合でも「社内のだれそれに確かに伝えておきました」ということを、そのお得意先に連絡する。そうすると先方は、返事はもらわなくてもいいと思っていた場合でも非常に安心し、喜ばれます。
 
私は、そうしたちょっとしたことが、周囲の人に安心感を与え、そこからその人に対する信頼が少しずつ集まり、高まるのではないかと思います。「あの人は、仕事がよくできて、信頼のできる人だ」というような評価は、頭がいいとか腕がいいとかということにもよりましょうが、それ以上に、そのような身辺の小さいことから築かれる信用によって左右されるものだと思うのです。
 
むずかしいことはできても、平凡なことが行き届かないというのは、決して好ましいことではありません。むしろ大切なのは平凡なことのほうで、それを着実に積み重ねてしっかりした土台をつくり、その上にその人の経験なり知恵、才覚を生かしていくのが、望ましい仕事の進め方というものでしょう。
 
それは単に若い社員にとってばかりではありません。私の経験上、一つの部なら部の責任者の場合でも、「あの人は信頼できるな」という人は、必ずキチンとした報告をしてきます。いい結果の場合も、悪い結果の場合も報告してくれます。もちろん一つの部の運営を任されていて、しかもそれがうまくいっていれば、特に報告をしなくてもいいようなものですが、そこはやはり打てば響くというか、肝胆相照らす仲というか、こちらの気持ちを察してよきにつけ悪しきにつけ報告してくれるのでしょう。そのへんが非常に大事なところだと思います。
 
そのような意味で、平凡なこと、些細なことをおろそかにしないというところに、信頼あつく、その会社になくてはならない人になるための第一歩があるという気がするのです。
 
 

 

【出典】
 
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経営セミナー 松下幸之助経営塾
衆知

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