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人も企業も、理念と行動が大切 【コラム】~稲富隆博

人も企業も、理念と行動が大切 【コラム】~稲富隆博

(2011年10月17日更新)

 
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東日本大震災から早くも7カ月が経とうとしている。9月初めに発足した野田政権に被災地の復旧・復興を、そして問題山積の日本丸の迅速で発展的な方向への舵取りを期待したいものである。

 

日本企業の底力と研修の再開

 

3月11日の大震災と原発事故直後には、あっという間に関西企業の研修もストップした。私の知る数十社の企業全部がそうであったと言っても過言ではない。関西の企業であっても東北の支店や営業所・出張所に大きな損害が出たり、お取引先の企業に壊滅的な被害が出たりした。「研修どころではない」「関係会社やお得意先のことを考えると研修は自粛せざるを得ない」というのがその理由だった。

 

しかしそれから7カ月余。気がつけばほとんどの企業が研修を再開している。大きな被害を受けた幾つかの企業でさえも、心配して電話をすると、どうにか経営も元に戻り、研修も近々再開の予定だという。

 

各企業の復旧への努力はスペースの都合でカットせざるを得ないが、私達講師にとって大きな関心事である「研修再開」という側面からみても、各企業の復旧への必死の努力に対して心から敬意を表したい。と同時に、企業の回復力の強さと速さ、つまりその底力には本当に驚かされている。

 

企業の経営理念、それが社風となり行動へ

 

それではなぜ各企業の立直りが早かったのか? その原因の一つは日本企業の社風や体質から来るものであり、さらにそのベースには企業としての考え方、つまり経営理念にあるように思える。

 

あの大震災の時、諸外国に見られる様な略奪や暴力沙汰が起こらなかった。未曾有の被害にも拘らず、社会的秩序を保ち、お互いに助け合い、人間としての連帯の強さを示した日本人の行動に、世界から賞賛の声が挙がった。そしてこのことは、日本人特有の真面目な考え方や、穏健な心の在り方に起因していると言われている。

 

私は研修講師として、ご縁のあった企業では、経営理念(社是、社訓、経営方針等)についてお聞きすることにしている。そうすると、まず従業員が数十名以上の規模で、外部講師を招いて研修を実施しようとする会社であれば、ほぼ全てにその会社の目的や存在意義を表した経営理念がある。中には朝会や会議の冒頭で唱和している会社も結構多い。

 

私達一個人にとっては、その人の考え方や意識、心の在り方がその人の人格や人間性を形成し、その人の行動のベースになっている。それと同様に、会社の経営理念、社是・社訓は、その会社の社風や体質となり、その会社の経営活動としての行動力や実践力の基盤となっている。

 

人間では考え方や意識、会社にとっては経営理念や伝統精神、それらが持つ重みと重要性を改めて認識させられている昨今である。

 


 

稲富 隆博 (いなとみ・たかひろ)

1968年、松下電器産業(株)[※] 入社。79年、同社内 広報部。88年、同 教育訓練センター 教育企画室 室長。96年、同 教育訓練センター 東京研修所 リーダー。同 人材開発センター マネジメント開発研修所 リーダー。99年、松下電器産業(株)[※] 退職。

現在、PHPゼミナール講師。(有)トミー・コンサルティング 代表取締役。日本産業訓練協会 特別講師。関西経営者協会 講師。その他、企業研修やコンサルティング活動、講演などを行なっている。

 

 

 


 

 


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