研修講師はおおよそ4つのタイプに分かれます。自社が求めている研修内容と期待する効果に合わせて選び、依頼することが大切です。
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研修講師は、4つのタイプに分かれる。求めている研修内容と期待する効果に合った、講師タイプを選ばなければならない。できるだけよい講師を選ぶことは大切だが、感動型スター講師になると講師料が高くなるので、目的と予算に合わせて検討すべきである。
【研修講師の4つのタイプ】

1)感動型スター講師
コンサルティングスキルとインストラクションスキルを両方兼ね備えた講師。自社のオリジナル内容にカスタマイズしてくれ、受講者にやる気を与えることにより、行動を促すことができる。
2)コンサルタント型講師
論理的に課題を解決してくれるコンサルティング型研修を実施してくれる。気づきも多く、自社のオリジナル内容にしてくれ、成果を出してくれる。実務的ではあるが、わかりやすく話す技術が低いため、眠くなり、モチベーションを上げることに期待できない場合もある。
3)セミナー型講師
素晴らしいインストラクションスキルを持っているが、具体的な課題や解決策には触れない傾向がある。自社に合わせたオリジナル内容にするのが難しく、決められたシナリオ通りに講義を進める。標準的な知識やスキル習得型の研修に適している。知名度があるため講師料は比較的高い。
4)研修型講師
新入社員研修や管理者研修など定型プログラムを持っている。自社の課題や要望に合わせてカスタマイズしてくれる場合もある。経営者の立場で実務的で分かりやすく指導するタイプが多い。内容重視なので感動を与えることは少ない。講師料は比較的安い。講義力が低く、品質が悪い講師もいるので注意したい。
※出典:『[実践]社員教育推進マニュアル』(2009年1月・PHP研究所発行)
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【著者プロフィール】
茅切伸明(かやきり・のぶあき)
株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。
慶應義塾大学商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会)
松下直子(まつした・なおこ)
株式会社オフィスあん 代表取締役。社会保険労務士、人事コンサルタント。
神戸大学卒業後、江崎グリコ(株)に入社。新規開拓の営業職、報道担当の広報職、人事労務職を歴任。現在は、社会保険労務士、人事コンサルタントとして顧問先の指導にあたる一方、民間企業や自治体からの研修・セミナー依頼に応え、全国各地を愛車のバイクで巡回する。
「人事屋」であることを生涯のライフワークと決意し、経営者や人事担当者の支援に意欲的に向き合うかたわら、人事部門の交流の場「庵(いおり)」の定期開催や、新人社会保険労務士の独立を支援するシェアオフィス「AZ合同事務所」の経営など、幅広く人材育成に携わっている。
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』『人事・総務マネジメント法律必携』(ともにPHP研究所) 、『採用・面接で[採ってはいけない人]の見きわめ方』『部下育成にもっと自信がつく本』(ともに同文舘出版)ほか。