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組織の報連相は「情報の共有化」がポイント

組織の報連相は「情報の共有化」がポイント

(2018年1月10日更新)

 
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組織の報連相を語るうえで外すことのできないキーワードがあります。それは「情報の共有化」です。

報連相とはつまるところ、仕事の関係者による情報の共有化ですが、その共有化は文字とか数字などのデータにとどまらず、意味を共有化し思いを共にしたいものです。

情報の共有化には、下から上の報連相は勿論、上から下への報連相も重要です。そして、報連相では情報を共有化し「深める」ことが大切です。

 

報連相の深度

情報の共有化は、お互いに助け合える組織を築く

それでは、なぜ組織では情報の共有化が求められているのでしょうか。それは、情報の共有化の第一の効能は「お互いに助け合える」ことにあるからです。

組織として働くことの意味は、「個々人が協力することで、ひとりでは成しえない大きな仕事の成果を得るため」です。そのためには、お互いに助け合える関係(環境)を築く必要があります。

変化の激しい現代では個々人の自立が叫ばれ、社員一人ひとりが経営者としての意識を持つよう求められます。しかし、自立が孤立になってしまっては組織としての役割は果たせません。

個々に高い成果を上げられる自立人間同士が、お互いに助け合えるかどうかが組織の成果に大きな影響を及ぼします。

 

情報の共有化の深度1「事実情報の共有化」

まず、共有化しなければならないのは、深度1の「事実情報の共有化」です。例えば目標数値。自分の目標だけでなく、部門目標、全社目標も知っていてもらいたいものです。

目標数値だけではありません。組織的に働くためには、経営理念・運営方針、顧客名・各スケジュール・品質データ・仕事の進捗状況、在庫状況など、共有化を求められる情報は数多くあります。

 

情報の共有化の深度2「意味(目的)の共有化の共有化」

しかしそれらの事実情報は、はたして「知っている」だけでよいのでしょうか。例えば経営理念。文章を知っている、行動指針を暗記しているだけでなく、その理念や指針が意味するところをみんなが「わかっている」ことが肝心です。

ときどき、大企業で、社会常識とかけはなれた事件が起こります。昨今大きな問題となっている企業のコンプライアンス違反などは典型的ではないでしょうか。

それらの問題が発生した企業には、立派な経営理念があり、社員全員が所持している手帳の第1ページに明記されています。経営理念を、知ってはいたが、「わかっていなかった」としか言いようがありません。

目標数値においても同様です。部門目標の数字をみんなが知っているといっても、その数値をどのように理解し、受け止めているかとなると、さまざまです。

前期の15%アップの目標を、どうせできない努力目標だ、という人もいます。競合他社の動き、当社の経営実態からみて、今までのやり方を変えてでも必死に取り組まなければならない目標だ、と受け止める人もいます。

目標を知っていても、評論家的な姿勢でみているのでは、共有化の効果はありません。自分のこととして真剣に受け止めれば共有化も意味があります。

伝わらなければならないのは、「その目標は何のためか」という、目標数値に込められている意味(目的)です。

上司は、部下に対し仕事の指示する場合にいちいち目的を言わないのが普通ですが、指示内容や部下の能力などによっては、「何のためなのか」と、目的をひと言添えるだけで普通の部下が気の利いた社員に変身します。大抵の部下は、自分の仕事の意味(目的)がわかれば、その仕事の「やり方」を自分で判断できるからです。

部下の方も、仕事の目的がわからなければ、「これは○○のためでしょうか?」と、自分の方から目的を確かめ、明確につかめば、効果的なやり方のできる優れた社員になれます。上司が教えてくれないから、というようでは自立人間とはとても言えません。

 

情報の共有化の深度3「考え方の波長の共有化」

情報の共有化を深め、情報の持つ意味が分かり、そしてさらに心が揃えば、組織力がさらに高まります。

みなさんの中にも困難と思えるような仕事に、チーム一丸となって取り組み、高い成果に至ったという経験をされたことがある方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。

ヒット商品の開発を成し遂げたときとか、赤字を脱却できたとき、大型の新規受注に成功したとき、といったような心震える思い出深い仕事がいろいろあると思います。

困難に打ち勝って、組織で大きい仕事を成し遂げたとき、情報の共有化はきっと深度3まで深まっていたことでしょう。

報連相は、単なる情報伝達ではありません。報連相とは、関係者が情報を共有化することです。そしてその共有化は、事実情報の共有化にとどまらず深めていくことが大切なのです。

 

 

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延堂溝壑(えんどう こうがく)

本名、延堂良実(えんどう りょうま)。溝壑は雅号・ペンネーム。一般社団法人日本報連相センター代表。ブライトフィート代表。成長哲学創唱者。主な著書に『成長哲学講話集(1~3巻)』『成長哲学随感録』『成長哲学対談録』(すべてブライトフィート)、『真・報連相で職場が変わる』(共著・新生出版)、通信講座『仕事ができる人の「報連相」実践コース』(PHP研究所) など。

なお、本稿は糸藤正士氏に著作権のある『真・報連相』を、著作権者の承認を得て使用している。


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