課長職にマネジメントの革新を!
RSS

中小企業の「働き方改革」~拙速な残業削減より管理職の意識改革研修を!

中小企業の「働き方改革」~拙速な残業削減より管理職の意識改革研修を!

(2018年3月28日更新)

 
  • はてなブックマーク
  • Yahoo!ブックマーク
  • Check

「働き方改革」を推進するうえで、管理職の再教育が最大の課題になっています。昭和のマネジメントから抜け出せない管理職、プレイヤーから脱皮できない管理職がいては「働き方改革」は絶対にうまくいきません。

中小企業において「働き方改革」を成功させるためには、拙速に残業削減を進めるのではなく、マネジメント研修をリニューアルして、今すぐ管理職の意識と行動を変える必要があります。

今回は、「働き方改革」時代において、管理職研修で何を教えるべきかについてお話します。

 

*  *  *

 

なぜ「働き方改革」に管理職の意識改革が必要なのか?

経営者が「働き方改革」を宣言してもなかなか改革が前に進まないのは、管理職に問題があることを前回お伝えしました。

迂遠なようですが、中小企業では残業削減を拙速に進めるのではなく、管理職のマネジメントの在り方を変えることが優先されます。

まず、人事担当者は管理職を再教育することを肝に銘じておかなければなりません。昭和時代の働き方や職場環境を改革し、プレイヤーの仕事からマネジメントの仕事に専念してもらうことが、中小企業の働き方改革を成功に導きます。

今の管理職世代は、上司の背中を見て、理不尽なことにも耐え、叱咤激励されて育ってきました。長時間労働すれば会社の業績も伸び、年功序列で昇進しました。上司の言うとおりに仕事をしていれば給料が上がって、家や車が手に入り、幸せを感じられたのが昭和の時代です。貧しい時代は物やお金が充足されることで満足しました。

しかし、平成に入って日本は豊かになり、心の充足を求めるようになりました。指示命令で仕事やらせたり、自分のやり方を押し付けたり、仕事は見て覚えろという昭和時代のマネジメントから完全に脱却するときが来ました。

「働き方改革」の本質である部下の働きやすさ、やり甲斐、幸せを実現するマネジメント研修が必要なことは言うまでもありません。

 

「働き方改革」時代に求められるマネジメントとは?

結論から申し上げると、バブル崩壊を境に旧来のパラダイムが崩壊したと言えます。主導権や主役が逆転しました。企業からお客様、メーカーから小売業、経営者から現場の社員になりました。

具体的に言うと、「上司の指示命令で部下が動く組織」から「部下が自律的に動く組織」に変革しなければなりません。これまでの権力的なリーダーシップではうまくいきません。部下を人として尊重し、下からサポートする対話型リーダーシップに変えなければなりません。このように、管理職は部下に主体的に働いてもらうためのマネジメントを学ばなければなりません。

 

部下が主体的に動くために管理職はどう変わるべきか?

部下に主体的に動いてもらうためには、これまでのように部下に指示・命令で仕事を「与える」というやり方ではいけません。期待して仕事を「任せる」という考え方が必要です。任せた仕事に対して、部下が力を発揮できるようにサポートすることが管理職の仕事です。

一方、豊かな時代に育った今の若者は、人から必要とされ感謝されることにやりがいを感じ、そのなかで自分も成長したいと強く願っています。つまり、「成長」と「貢献」が部下の主体性につながります。

ですから、部下の仕事がお客様に、そして社会にどのように役立っているのかを、きちんと伝えることから始めましょう。まずは企業理念、仕事の意義や目的をしっかり伝えることです。人は「やらされる仕事」に、やりがいを見出すことはできません。自分の仕事でお客様や社会に「貢献」できることを理解したときに、主体性が発揮されます。そして、その仕事を通じて自分の成長を実感できるとさらに主体性が高まります。

 

部下の「成長」「貢献」をどう実感させればいいのか?

これからは「部下指導」よりも「成長支援」の時代です。従来の部下指導やOJTだけでは部下は育たなくなりました。学生時代に家庭教師や個別指導に慣れている今の若者は、部下の成長を支援する個別面談が有効です。

最近、部下の成長を支援する「1on1ミーティング」を導入する企業が増えてきました。上司と部下の絆と会社に対するエンゲージメントを高める効果もあります。

さらに、「叱って育てる」という昭和の部下指導もあまり機能しません。部下の価値観を理解して、部下のいいところを見出し、部下を承認することが大切です。とにかく「褒めて育てる」が重要です。そのためには結果だけを見ていてはいけません。仕事のプロセスをしっかり観察して、昨日より良くなったところをしっかり褒めてあげることが重要です。

たとえば、こんな褒め方が有効です。「〇〇会社の△△部長が、君の仕事をよくやってくれると評価していたよ。担当を変えないでほしいと言われてね」というように、お客様への貢献や部下の成長を伝えるのはどうでしょうか。そして、今後お客様にどう貢献するか、これからどのように成長すべきかを、一緒に考えるという成長支援の面談が部下を育てます。

今回は、管理職の人材開発として、「働き方改革」時代のマネジメントについて解説しました。次回は、「働き方改革」時代の組織開発のマネジメントについてお話をします。

 

 

松下幸之助に学ぶ5つの原則

 

 


 

茅切伸明(かやきり・のぶあき)

株式会社ヒューマンプロデュース・ジャパン 代表取締役。
慶應義塾大学商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計8,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。 
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会) 

人と組織の課題 最新記事

メールマガジン

更新情報をメルマガで!ご登録はこちらからどうぞ