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上司にとって「助かる報連相」と「余計な仕事が増える報連相」の違いとは?

上司にとって「助かる報連相」と「余計な仕事が増える報連相」の違いとは?

(2018年6月25日更新)

 
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管理職を対象とした報連相の研修やセミナーで、「上司と部下の報連相」というテーマで受講者の皆さんに話を伺うと、よく耳にする声があります。それは「部下の報連相に助けられた!」という喜びの声です。

 

 

その一方で、「部下の報連相がまずいと、それだけで、上司の仕事が倍に増える」という悲鳴もよく耳にします。

この記事をお読みの管理職者の皆さんの中にも、大なり小なり「部下の質の高い報連相に助けられた」、あるいは「部下のまずい報連相で余計な仕事が増えて難儀した」という方がおられるのではないでしょうか。

上司にとって、部下からの「助かる報連相」と「余計な仕事が増える報連相」の違いにはいったいどのような違いがあるのでしょうか?

 

「生情報」「加工情報」とは?

部下からのまずい報連相の典型的なものとして、「生情報」と「加工情報」が混在しているケースがあげられます。

生情報とは、見たまま、起こっていることそのままの情報のことです。例えば喫茶店に入ったときに出てくるお冷を例にしますと、「Aテーブルのお客様のお冷のグラスには、水が半分入っている」。この情報が生情報です。

加工情報とは、その生情報に対して自分の考えや意見を加え、生情報にさらに深い意味付けを加えた情報のことです。先ほどのお冷の例で言うと「Aテーブルのお客様のお冷のグラスには、水がもう半部しか残っていない(お冷をつぎ足す必要がある)」という状態です。

 

まずい報連相には「生情報」と「加工情報」が混在している

上司が助かると感じるような報連相ができている部下は皆、報連相を行う際にこの生情報と加工情報を切り分けて報連相をしています。報連相を受けた上司は、部下からの報連相で、実際の出来事と部下の考えを切り分けて整理された状態で情報を受け取ることができるため、考えを整理しやすく、出来事の本質を確認しやすくなります。

反対に、上司の仕事を増やすようなまずい報連相を行う部下は、生情報と加工情報を混在して報連相を行います。それによって報告を受けた上司は、その情報の事実の出来事と部下である報告者の憶測とを混同して受け取ることになるため、出来事の本質も見えにくくなり、確認事項や質問が何倍にも増えてしまうのです。

 

まずは、こまめに「生情報」を報連相することを意識させる

まずい報連相が目立つ部下の「報連相のレベルアップ」を図るには、まず「必要と思うことは、その都度こまめに生情報を報連相する」を意識してもらうところから始めるとよいでしょう。

報連相が苦手な人は、相手へ報連相を行う際に、つい焦って生情報と加工情報を混在させて話を進めがちです。そのときに、報連相を受ける側の上司は「いったん落ち着いて、君の考えと、実際の出来事を切り分けて、まずは出来事についてだけを分かっている範囲で話しくれないかい?」と、部下が生情報と加工情報を整理して報連相出来るよう、道筋を整えてあげると効果的です。

そうすると、部下からの「○○だと思います」や「たぶん△△頃です」といった憶測めいた情報が、基本的には加工情報であることが見えてきます。そして部下自身も、自分がこれまで事実と憶測や推理を混同して報連相していたことに気がつき始めます。

生情報は鮮度が大切ですので、こまめに事実や出来事を報連相してもらえるようになると、上司にとってはとても助かる部下からの報連相になります。

 

「加工情報」の報連相ができる部下を育てる

上記のような話をすると、まるで加工情報そのものが悪いことかのように思えるかもしれませんが、けっしてそのようなことはありません。むしろ、部下からの「上司の助かる報連相」は、質の高い加工情報にあると言っても過言ではありません。

自分の考えや意見を加味して、かつ生情報と切り分けて、質の高い加工情報を報連相してくれる部下がいたら、上司は本当に助かります。なぜならば、そのような部下は自分の考えをしっかりと持ち、自立的に仕事に取り組んでいるからです。生情報を速報するだけでなく、自分なりの加工ができるかどうか。加工情報の意義も大きいのです。情報を整理し、組み合わせ、意味づける。新たに編集された情報が、また価値ある創造的情報です。

もちろん加工情報という言葉は、いい意味にも悪い意味にもとれます。適当に加工して自分に都合よく報連相をするのはマイナスレベルです。目的が肝心です、悪い目的での加工は論外です。

上司として、部下の報連相のレベルアップを図るには、部下から生情報をしっかりと報連相をしてもらったのちに「それじゃあ、次に君の考え意見を聞かせてくれないか?」と、生情報と加工情報のステップを切り分けて確認していくのがよいでしょう。

 

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延堂溝壑(えんどう こうがく)

本名、延堂良実(えんどう りょうま)。溝壑は雅号・ペンネーム。一般社団法人日本報連相センター代表。ブライトフィート代表。成長哲学創唱者。主な著書に『成長哲学講話集(1~3巻)』『成長哲学随感録』『成長哲学対談録』(すべてブライトフィート)、『真・報連相で職場が変わる』(共著・新生出版)、通信講座『仕事ができる人の「報連相」実践コース』(PHP研究所) など。

なお、本稿は糸藤正士氏に著作権のある『真・報連相』を、著作権者の承認を得て使用している。


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