課長職にマネジメントの革新を!
RSS

社員が幸せな会社は、掃除に対する「やらされ感」がない

社員が幸せな会社は、掃除に対する「やらされ感」がない

(2019年3月25日更新)

 
  • はてなブックマーク
  • Yahoo!ブックマーク
  • Check

社員が幸せな会社(従業員満足度の高い会社)の多くは、掃除やボランティア活動の習慣があります。その理由とは?

 

 

*   *   *

 

働く社員の「幸せ」とは何か?

『社員が幸せな会社』というテーマで記事を連載していますが、ではそもそも「社員の幸せ」とはいったい何でしょうか。日本には従業員満足度の高い会社がたくさんありますが、そのような会社を「社員の幸せ」という視点から調べてみると、次のような共通項が見えてきました。

 

 

【社員が幸せに働くために大切な4つの項目】

1.人間的成長を得られること

2.将来に希望が持てること

3.大切な人に誇れる仕事であること

4.安心して働ける職場であること

 

 

1.人間的成長を得られること

社員が幸せに働くために大切な4つの項目、その1番目の項目は「人間的成長を得られること」です。社員が幸せな会社(従業員満足度の高い会社)に共通していることの一つに、掃除やボランティア活動の習慣があります。なぜ、社員が幸せな会社では、社員が率先して掃除やボランティア活動をしているのでしょうか。これは、いったい何をしているかというと、感性を磨いているのです。日本教育界の父と言われた森信三さんは

 

「足元の紙クズひとつ拾えぬ程度の人間に何が出来よう」

 

という言葉を残していますが、大変奥深い言葉です。足元のゴミを見て、なんとも思わない様な心のありようで、いい仕事ができるはずもありません。汚れていても気にならないようでは、細かなところへの配慮が届かないので、自分では「完璧だ!」と思っていても、感性の高い人から見ると雑な仕事に見えることでしょう。

日々の掃除は人間の心を磨いてくれる一番の薬になるのではないでしょうか。社員が幸せな会社では、掃除に対する「やらされ感」がありません。それは、その会社の社員一人ひとりが、掃除を通じて会社を綺麗にするだけではなく、自分の心を磨いて感性を高める(もしくは感性が鈍っていないかの自己指標とする)ための大切な機会と捉えているように感じます。

たとえば、感性の鈍い飲食店では清掃が行き届いていないケースが多くあります。たとえ店舗のパッと見て人目につくような箇所は綺麗にしていたとしても、営業中はトイレの清掃が追いついていなかったり、飾っているお花がどれも造花でホコリを被っていたりします。

掃除に限らずですが、社員が幸せな会社の社員は、皆仕事を通じて「自身の人間的成長」を考えているように思います。それはつまり、美しいものを美しいと思える、汚いものを汚いと思える、そして細かなところまで目が行き届く、そんな感性を高めることの積み重ねであるということです。

 

2.将来に希望が持てること

二つ目の項目は、「将来に希望が持てること」です。皆さんは日本の平均年収をご存知でしょうか。様々なところが統計を取っているようですが、いろいろと調べてみますと、現在は約430万円だそうです。それでは社員の収入がこの平均年収よりも高ければ幸せ、低ければ不幸、と一概に言えるでしょうか。

たとえば、ここに二人の人間がいたとしましょう。二人とも年収は同額の430万円です。一方の人間は、昨年は420万円でしたが、今年に入り収入が上がり430万円になりました。会社も売上が伸び、大きな額ではありませんが年々給与も上がっています。会社も「毎年給料が上がっていく会社にしよう。そのために商品開発や販路の開拓など、いろんな工夫をしていこう」という風土になっています。

もう一方の人間は、昨年の440万円から10万円下がってしまいました。前出の会社のような風土もなく、世間の流行に左右される、自転車操業が続いています。同じ収入の二人であっても、収入が増えた人間は幸せを感じるでしょうが、収入が減った側の人間は幸せどころか不安を感じているかもしれません。

これはいったい何を意味しているのでしょうか。これが意味しているものとは、「人間の幸せは、将来性を抜きには語れない」ということです。上記では、日本の平均年収で話を進めましたが、これは収入が高くても低くても同じことなのです。現状の自分の仕事に将来性がなく、収入が先細っていく将来には、大きな不安がついて回ります。

典型的な例は、芸能人の方々ではないでしょうか。華やかな仕事であり、一般的な会社員と比べると何倍もの年収を得ていますが、その反面、収入に関するインタビューなどでは「この先、何が起こるかわからないから、安心なんて一つもない」と、答えている方々をよく見かけます。

社員が幸せに働けるために大切なことは、単純に高収入であればよいということではありません。もちろん収入がよいに越したことはないかもしれませんが、それ以上に自分の仕事や働く会社の未来に対して可能性や希望が持てる。そんな末広がりの状態をつくっていくことが大切なのです。

 

 

次回は、【社員が幸せに働くために大切な4つの項目】について「3.大切な人に誇れる仕事であること」「4.安心して働ける職場であること」を解説いたします。

 

 

組織風土変革のためのリーダー研修「松下幸之助5つの原則」


 

延堂溝壑(えんどう こうがく)

本名、延堂良実(えんどう りょうま)。溝壑は雅号・ペンネーム。一般社団法人日本報連相センター代表。ブライトフィート代表。成長哲学創唱者。主な著書に『成長哲学講話集(1~3巻)』『成長哲学随感録』『成長哲学対談録』(すべてブライトフィート)、『真・報連相で職場が変わる』(共著・新生出版)、通信講座『仕事ができる人の「報連相」実践コース』(PHP研究所) など。


人と組織の課題 最新記事

メールマガジン

更新情報をメルマガで!ご登録はこちらからどうぞ