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イチロー選手の名言から学ぶ成長のヒント

イチロー選手の名言から学ぶ成長のヒント

(2019年4月 4日更新)

 
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先日、現役引退を表明したイチロー選手。彼はその華のあるプレースタイルや能力、輝かしい功績だけではなく、野球に向き合う姿勢、さらにはその人生観で、野球ファンのみならず多くの人々に大きな影響を与えました。

 

彼は強い美学哲学を持った選手だった、と言えるのではないでしょうか。今回は、イチロー選手がこれまでに残した名言から、人と組織の成長にも通じる学びを紹介します。

 

苦しみをも大切にしていた、イチロー選手の心の姿勢

イチロー選手といえば、成績や賞というものにあまり執着をしない人物として有名でした。そしてその考えをよく表すような次の言葉を残しています。

 

「苦しみを背負いながら、毎日小さなことを積み重ねて、記録を達成した。苦しいけれど、同時にドキドキ、ワクワクしながら挑戦することが、勝負の世界の醍醐味だ」

 

現代では「仕事を楽しむ」とか「仕事が楽しい」ことが良いことであるとされている反面、「仕事から受ける苦しみ」に対してはあまり大切にされていない風潮があります。苦しみとは、ストレスやプレッシャーや悩みなどが挙げられます。

「仕事を楽しむ」「仕事が楽しい」ことは、たしかに大切なことです。しかし、それと同じように「仕事から受ける苦しみ」をも、同様に大切にできている人はごく少数です。

なぜ苦しみが大切なのでしょうか。それは苦しみの中にも、自己の専門性や人間性を向上させてくれる大切な種が埋まっているからです。イチロー選手の上記の言葉からは、ポジティブなこともネガティブなことも、どちらもしっかり大切にしたいという、彼の心の姿勢が見えてきます。

 

達成よりも追求を。「積み重ね」を何より大切にしていたイチロー選手

そして彼は、積み重ねることの大切さも説いています。

 

「首位打者のタイトルは気にしない。順位なんて相手次第で左右されるものだから。自分にとって大切なのは自分。だから一本一本重ねていくヒットの本数を、自分は大切にしている」

 

最初に紹介した言葉にも、2番目に紹介した上記の言葉にも、「積み重ね」という共通のキーワードが入っています。イチロー選手は、物事や記録を達成することよりも、日々小さなことを積み重ねることを何よりも大切にしていました。

積み重ねとは、つまり追求し続ける取り組み姿勢ことです。彼の追求し続ける取り組み姿勢は、彼のルーティーンやトレーニングや私生活など、至るところに表れていたことはとても有名な話です。

今の社会では目標を達成することの大切さを言われることはあっても、物事を追求し続けることの大切さについて言われる機会はあまりありません。

これは達成が大切ではなくて追求が大切である、という意味ではありません。もちろん達成も大切ではありますが、しかしそれ以上に本当に大切なことは、何か重要な物事を追求し続けていくために達成というものがあるというです。

たとえば会社であれば、売上目標を達成するのは企業理念の追求のためです。しかしそのことをすっかり忘れ、利益を上げることそのものを追求してしまい、理念や社会的な倫理道徳を犯してしまう会社が後を絶ちません。

 

準備は何のために行うのか?

また、イチロー選手は物事の本質を見抜く力に優れていたように思います。本質を見抜くというと「物事の正解を見つけること」かのように聞こえてしまうかもしれませんが、そうではなく、「自分自身が心から納得できる価値観を見つける」ことに長けていたという意味です。

たとえばイチロー選手は言葉の定義に対して、辞書のような画一的な定義づけをするのではなく、「自分なりの深い定義づけ」をしている節がありました。その「自分なりの深い定義づけ」がよくわかるものの一つに、「準備」という言葉に対する彼なりの定義づけがありました。

 

「準備というのは、言い訳の材料となり得るものを排除し、そのために考え得るすべてのことをこなしていくこと。」

 

上記の言葉は、インタビューで答えた言葉の一部分を抜粋した言葉だと言われていますが、この言葉からはイチロー選手が準備という言葉に対して「言い訳の材料となりえるものを、すべて排除するための取り組み」と明確に定義づけていることが分かります。

じつは言い訳というものは、本人が納得さえしてしまえば、いくらでも正当な理由をつくることが出来てしまいます。しかし、納得できる正当な理由(言い訳)を持てたとしても、はたしてそこに何の価値があるというのでしょうか。

言い訳をしたくなるような状況は、自分の至らなさに妥協したり目を背けたりしたくなるときです。そんな状況から自分を守ることはできたとしても、そこに成長などありません。自分の弱さや改善点から目を背け、妥協癖や逃げ癖をつくってしまうだけです。

イチロー選手の言葉には、強い自律の姿勢が表れています。きっと、イチロー選手はこの「準備」という言葉以外にも、「自分なりの深い定義づけ」がなされている言葉を多く持っていることでしょう。

 

イチロー選手はこれまでに多くの名言を残してくれています。彼の現役引退を機に、今一度彼がこれまでに残したいくつかの言葉に触れ、職場の仲間とゆっくり語り合うような機会をつくってみてはいかがでしょうか。

 


 

延堂溝壑(えんどう こうがく)

本名、延堂良実(えんどう りょうま)。溝壑は雅号・ペンネーム。一般社団法人日本報連相センター代表。ブライトフィート代表。成長哲学創唱者。主な著書に『成長哲学講話集(1~3巻)』『成長哲学随感録』『成長哲学対談録』(すべてブライトフィート)、『真・報連相で職場が変わる』(共著・新生出版)、通信講座『仕事ができる人の「報連相」実践コース』(PHP研究所) など。


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