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社員の幸せと、その向こう側にいる家族の幸せ

社員の幸せと、その向こう側にいる家族の幸せ

(2019年5月17日更新)

 
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本連載のタイトルは、『「社員が幸せな会社」のつくり方』ですが、実は「社員が幸せな会社」をつくるためには、社員の幸せだけでは足りません。これはいったいどういう意味でしょうか。

今回は、社員が幸せな会社をつくるために大切な5つの幸せについて考えてみたいと思います。

 

【社員が幸せな会社をつくるために大切な5つの幸せ】

1.働く社員の幸せ

2.社員の家族の幸せ

3.お客様の幸せ

4.関係企業で働く人々の幸せ

5.地域社会で関わる人々の幸せ

 

社員の幸せは、家族の存在を抜きには実現しない

会社組織が社員の幸せを考えるときに、もっとも大切なことは上記項目の「1.働く社員の幸せ」であることはまず間違いありませんが、その項目と同様に大切なことに「2.社員の家族の幸せ」があります。この2つの項目は切り離して考えることのできない項目です。

いくら仕事にやりがいを感じていても、社員間の人間関係が良好であっても、社員の人生は公私の両方で成り立っています。「今の会社で働くのがつらい」とか「職場の人間関係がひどい」という状況は社員の幸せな会社をつくるという視点からいうと論外ですが、いくら会社での職業人生が良好であっても、社員の向こう側にいる家族が幸せでなければ、社員も本質的には幸せになれません。では、社員の家族の幸せとはいった何でしょうか。

 

社員の家族の幸せにも種類がある

社員の家族の幸せと一口に言ってみても、その幸せには様々な種類があります。たとえばその一つに、「社員がイキイキと働き、成長している姿を見ること」が家族にとっての幸せとなる場合があります。

社会人になったばかりの若手社員の家族であれば、ご両親は「良い人間関係に恵まれて、仕事を通じて、人としてしっかり成長していってほしい」「仕事にやりがいを持って、イキイキと社会人人生を歩んでほしい」と、心配をしているかもしれません。そして、その心配が実際に目に見える形で解消されなければ幸せではなく、むしろ会社に対して不安や不満を感じることでしょう。

その他にも、新婚であったり新たに子供が生まれた家庭を持つ社員の家族であれば、「家族での時間」や「今の会社や仕事に対する将来性」があることに幸せを感じるかもしれません。

 

「社員の家族」の存在は、大切だが見えにくい

意外な話ですが、社員同士の人間関係が良好な会社であっても、相手社員の向こう側にいる家族の存在が見えていない、といったケースは本当によくあります。なぜそのようなことが往々にしてあるのかというと、【社員が幸せな会社をつくるために大切な5つの幸せ】の1~5の中でも、「社員の家族」は直接会う機会が圧倒的に少ないからです。

若かりし頃の筆者自身もそうでしたが、自分の目の前にいる上司や同僚、部下の向こう側にいる「家族の存在」に対して、どうしてもリアルな意識を向けることが出来ず、ついついその人々の存在を忘れて、安易なコミュニケーションやマネジメントを行っていました。

直接会ったことのない人々を想像するといった感性に乏しかったのです。私自身は、そのこと(ともに働く仲間の向こう側にいる人々の存在)に気づかせてもらえることが出来たため、その存在を忘れて職場の仲間とコミュニケーションをとることがないよう、様々な手段を工夫しながら実践することが出来ました。

たとえば、意識的に相手の大切な人の幸せや笑顔について話し合う機会を設けましたし、部下には給料日に継続して手紙を書いていましたが、その手紙は部下のご家族に読んで頂いてもいいように(むしろ、読んで頂けるように)文章や見た目にも工夫をしました。

ある時、社外のイベントで、偶然に部下とそのご家族にお会いする機会があったのですが、その時部下が家族に対して「上司の延堂さんです」と紹介をしてくれた瞬間、「延堂さんいつも子どもがお世話になっています。お手紙も拝読しています。いつも本当にありがとうございます」と両手で握手を求めてくださったことがありました。そのときは、社員の幸せは、その向こう側にいる家族の幸せを抜きに語ることが出来ないものなのだと、あらためて強く実感しました。

 

社員の家族は三世代を見ておく

社員の家族の幸せを考えるとき、私は「最低でも三世代を見ておく」ことをお勧めしています。たとえば若い世代の社員であれば祖父母の世代、両親の世代、夫や妻・兄弟などの同世代、といった感じです。社員の年齢が上がると、子供の世代、さらに年齢を重ねた社員であれば孫世代がいる社員もいることでしょう。このように最低でも三世代を見ていると、ただ漫然と「社員の向こう側にいる家族」を考えるよりも、かなり具体的な視点でみることができます。

自分と向き合っている相手の向こう側にいる「大切な人々の存在」に目を向けることができるようになれば、職場のコミュニケーションや報連相、働く姿勢や働き方にも、様々なよい変化が出てくることでしょう。

いくら出社してきた社員が、仲間とバリバリ仕事をこなしていたとしても、プライベートがボロボロ、家族からも「あの会社は、私たち家族のことなど何も考えていない」と思われている状況で、はたして真の幸せを追求していくことなどできるのでしょうか。

社員の人生にも公私がある以上、このように社員の幸せには、その向こう側にいる人々の幸せが切っても切り離せない関係にあるのです。

次回は、【社員が幸せな会社をつくるために大切な5つの幸せ】の「3.お客様の幸せ」について解説いたします。

 


 

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延堂溝壑(えんどう こうがく)

本名、延堂良実(えんどう りょうま)。溝壑は雅号・ペンネーム。一般社団法人日本報連相センター代表。ブライトフィート代表。成長哲学創唱者。主な著書に『成長哲学講話集(1~3巻)』『成長哲学随感録』『成長哲学対談録』(すべてブライトフィート)、『真・報連相で職場が変わる』(共著・新生出版)、通信講座『仕事ができる人の「報連相」実践コース』(PHP研究所) など。


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