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お客様からの「ありがとう」がもたらす社員の幸福

お客様からの「ありがとう」がもたらす社員の幸福

(2019年6月 4日更新)

 
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自分の仕事を通じて、お客様の喜びや感謝に触れたときに、社員は働く幸せを感じるものです。

 

 

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幸せな会社をつくるために大切な5つの幸せについて、前回の記事では「働く社員の幸せ」と「社員の家族の幸せ」について話をしました。

今回の記事では「お客様の幸せ」について、「社員が幸せな会社をつくる」という視点から解説いたします。

 

【社員が幸せな会社をつくるために大切な5つの幸せ】

1.働く社員の幸せ

2.社員の家族の幸せ

3.お客様の幸せ

4.関係企業で働く人々の幸せ

5.地域社会で関わる人々の幸せ

 

働きがいと、お客様の幸せの関連性

仕事の「働きがい」に関するアンケートというものが、様々な企業や組織で行われ、その統計結果が雑誌やインターネットで公開されています。そして、どのアンケートでも必ず上位にランクインしている項目があります。それは、「お客様から、心からの『ありがとう』を頂けたとき」や「お客様を笑顔にできたとき」といった「自分の仕事を通じて、お客様の喜びや幸せに触れたときに、働きがいを感じる」という項目です。

働きがいを感じるとは「この仕事をやっていて本当によかった!」「働くってやっぱり素晴らしい!」と感じるとき、つまり働く幸せを感じるときということです。

 

「生きるために食べよ。食べるために生きるな」

筆者は前職時代、採用関係の仕事にも携わっていましたが、会社説明会などで行う先輩社員と学生との交流タイムで、よく学生から「どんな時に仕事のやりがいを感じますか?」という質問がありました。質問を受けた社員もやはり「お客様からの感謝の言葉」や「お客様の笑顔」については必ずと言っていいほど触れていました。

「食べるために働く」という言葉がありますが、実は働きがいに関するアンケートの結果では、「給料をもらったとき」や「昇給したとき」というのはランキングではかなり下の方です。「生きるために食べよ。食べるために生きるな」というソクラテスの名言が思い出されます。

 

お客様の幸せを、何のために追求するのか?

多くの会社では、お客様の笑顔・感動・幸せの追求(CS活動)といったものは、売上向上策の一つとして考え、取り組まれています。しかし、社員が幸せな会社を調べてみると、そのような会社ではどこも売上アップのために取り組んではいません。では社員が幸せな会社は、何のためにお客様の笑顔・感動・幸せを追求しているのでしょうか。

その答えはもうアンケートの結果に出ています。お客様の笑顔・感動・幸せを追求は、働く社員の幸せのために行っているのです。

 

他者への貢献は、自己という存在の価値を教えてくれる

第二次世界大戦時にナチスが行っていたと言われている拷問があります。ナチスの収容所に捕らえられていた囚人たちが受けていた拷問で、それは「地面に穴を掘る」というものです。

囚人たちは一日かけて「深くて大きな穴を掘る」という作業を課せられます。そして次の日には「昨日掘った穴を埋める」という作業が課せられます。それが毎日続くのだそうです。無価値な作業、意義を見出せない労働が続くと、やがて囚人たちは精神を崩壊させてしまったり、パタパタと亡くなってしまうのだそうです。無意味、無目的な仕事が、捕らえられた人々にとっていったいどれほどの苦痛であったか。私は想像するに堪えません。

お客様の笑顔・感動・幸せが、働く人の幸せに繋がるということについて、私は次のように考えます。それは「他者に必要とされ、喜ばれるということは、自己の存在価値や役割を教えてもらえるということ」です。慶應義塾の創設者である福沢諭吉は、自立について、『学問のすゝめ』の中で次のように語っています。

 

蟻などは、食物を得るだけでなく、冬に備えて穴を掘り巣を作り、食糧を貯えている。ところが世の中には、この蟻と同様の行為だけで、すっかり満足している人間がいる。

(中略)

一身の衣食住が確立すれば、それで満足するというのなら、人の一生はただ生まれて死ぬだけのことになる。

(中略)

わが心身の活動も活発におし進めず、人間本来の目的を達成しないような者は、虫けらと同じ愚か者と呼ぶしかない。

『学問のすゝめ』福沢諭吉(檜谷照彦現代語訳 三笠書房 107~109ページ)

 

「人間らしく生きる」とは?

社員が幸せな会社とは、労働条件がよいとか、待遇がよいとか、そういった事だけではありません。社員一人ひとりが働くことそのものの中に幸せを感じたり、仕事で関わる人の幸せに貢献することで得られる幸福感も、大切な要素なのです。

お客様の幸せを自分の働く幸せとして受け取ることができる。そのような働き方の中に、ソクラテスや福沢諭吉の言う、他の生物にはない「人間らしく生きる」ことに繋がっているように感じます。

 

次回は、【社員が幸せな会社をつくるために大切な5つの幸せ】の「4.関係企業で働く人々の幸せ」「5.地域社会で関わる人々の幸せ」について解説いたします。

 

 


 

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延堂溝壑(えんどう こうがく)

本名、延堂良実(えんどう りょうま)。溝壑は雅号・ペンネーム。一般社団法人日本報連相センター代表。ブライトフィート代表。成長哲学創唱者。主な著書に『成長哲学講話集(1~3巻)』『成長哲学随感録』『成長哲学対談録』(すべてブライトフィート)、『真・報連相で職場が変わる』(共著・新生出版)、通信講座『仕事ができる人の「報連相」実践コース』(PHP研究所) など。


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