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幕末の先覚者、橋本左内の成長哲学

幕末の先覚者、橋本左内の成長哲学

(2019年6月13日更新)

 
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成長し続ける人は「自分なりの目的・動機」をもっています。橋本左内に「立志」の重要性を学びます。

 

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成長し続ける人の共通項について、これまで過去2回の記事に渡り【成長し続ける人の3つの特徴】というテーマで、話をしてきました。今回は、その3つの特徴の最後の項目である「3.自分なりの目的・動機を持っている」について解説いたします。

 

【成長し続ける人の3つの特徴】

1.成長のスパイラルを歩んでいる

2.目標の3原則知っている

3.自分なりの目的・動機を持っている

 

成長し続ける人の「成長意欲」はどこから来るのか?

成長し続ける人は、自己成長に対する意欲がとても高く、そしてその意欲は持続性があります。自己を磨き成長し続けていくためには、仕事においても私生活においても、普段の取り組みに対して「何かしらのプラスαの物事」を実践していかなければなりません。この、「何かしらのプラスαの物事」とは、一般的に言われる自己啓発と言われるものです。

少し話の本線からはそれますが、自己啓発という言葉の意味にも少し触れておきましょう。自己啓発の「啓発」という言葉は、「気づきを与えて、一段高い視点に導く」という意味を持った言葉です。つまり自己啓発とは「自ら成長の機会を設け、自分自身に気づきを促し、自分自身を一段高いレベルに導く行為」ということです。(株)リクルートの創業者である江副浩正さんは、

 

「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」

 

という言葉を残しておられますが、まさに自己啓発を端的に表現した素晴らしい一言です。自己啓発というと高額なセミナーの受講や資格の取得を連想される人が多くいますが、そうではありません。「自己成長を真剣に考えて、自己成長に責任を持って、何事かに取り組むこと」それそのものが自己啓発です。

 

成長する人は自己啓発に自立的に取り組む

話を本線に戻しますが、成長し続ける人は皆、この自己啓発に対する意欲が高く、そして持続的です。ではそのエネルギーの源泉はどこにあるのでしょうか。その答えが、今回のテーマになっている「自分なりの目的・動機」にあるのです。

自己啓発に対して、周囲の求に応じて必要に迫られて取り組むのではなく、自ら必要性を感じて自立的に取り組む。これが、成長し続ける人の態度・姿勢です。周囲の求めに応じて必要に迫られて取り組んでいるというのは、極端な例で言うと義務教育です。多くの子供は学校という環境を与えられて、勉強しています。勉強嫌いの子は、学校から家に帰っても、親に「宿題やりなさい!」と言われなければ宿題を自発的に行おうとはしないでしょう。成長の機会を周囲に依存しなければ設定することができない状態、これが周囲の求に応じて必要に迫られて取り組んでいる姿勢と言えます。

 

リーダーに必要な「自分なりの目的・動機」

仕事においてもプライベートにおいても、誰に言われるでもなく、自ら必要性を感じて、自己啓発に自立的に取り組むことができる人というのは、やはり相応しい「自分なりの目的・動機」といったものを持っています。

ひとつ、職場のリーダーという役割を例に考えてみましょう。たとえば、世の中にはリーダーという役割を肩書であると捉えて、チームのメンバーを顎で使うような人がいます。しかしそうではなく、リーダーというものをチームのために必要な役割であると考え、その役割に対する重要性と責任を真剣に考え、自分がその役割をしっかり担える人物になれるよう、そのための自己啓発を厭わない人もいます。

上記の二人のリーダーのどちらが、成長し続ける人でしょうか。多くの人が、後者を挙げることでしょう。後者のリーダーには、おそらく理想のリーダー像というものがあります。そしてそのような自分の中にある理想のリーダー像に、努力してでも近づきたい、という自分なりの目的・動機を持っているのではないでしょうか。

実は、そのような自分なりの目的・動機を持つことを、昔の人々は「立志」と言って、とても重要視していました。

 

橋本左内が記した「立志」の重要性

幕末の先覚者であった橋本左内も自らのために書いたといわれる著書『啓発録』の中で、「人は、幼少期を終えたら真剣に勉学に励みなさい。そのために重要なことは、『何のために学ぶのか』という、志をしっかりと立てることである」と立志(自分なりの目的・動機を持つこと)の重要性について語っています。

左内のこの言葉は、勉強するための立志(自分なりの目的・動機を持つこと)の重要性について語っているものですが、これは勉強だけではなく仕事や人生でも同じように当てはめて言えることではないでしょうか。

そして、さらに左内は『啓発録』の中で、「立志のための4つの経験」も紹介しています。

 

【立志(自分なりの目的・動機を持つ)のための4つの経験】

(1)本を読み心が開眼するような影響を受ける

(2)先生や友人と学びを共にし追求する

(3)自分に大きな逆境が訪れたとき

(4)心が奮い立つような感動や感激を経験したとき

 

これらの項目はとてもシンプルですが、しかしだからと言って容易に立志に至れるというものでもありません。

筆者が思うに、まず一番に大切なことは、勉強であれ仕事であれ、「自分なりの目的・動機を持って事に臨む、そんな自分でありたい」と、心から強く想うことが必要なのではないでしょうか。左内の言うこれら4つの経験も、自分の心の中にそのような前提があってこそ、はじめて役に立ってくると言えるでしょう。

 

 


 

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延堂溝壑(えんどう こうがく)

本名、延堂良実(えんどう りょうま)。溝壑は雅号・ペンネーム。一般社団法人日本報連相センター代表。ブライトフィート代表。成長哲学創唱者。主な著書に『成長哲学講話集(1~3巻)』『成長哲学随感録』『成長哲学対談録』(すべてブライトフィート)、『真・報連相で職場が変わる』(共著・新生出版)、通信講座『仕事ができる人の「報連相」実践コース』(PHP研究所) など。


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