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関係会社や地域の人々の幸せにも目を配る

関係会社や地域の人々の幸せにも目を配る

(2019年6月20日更新)

 
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「社員が幸せな会社」であるためには、関係企業で働く人々や地域社会で関わる人々といった見過ごしがち、忘れがちな人々の幸せにも目を配る必要があります。

 

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幸せな会社をつくるために大切な5つの幸せについて、過去2回にわたり解説してきました。今回は「関係企業で働く人々の幸せ」と「地域社会で関わる人々の幸せ」について解説いたします。

 

【社員が幸せな会社をつくるために大切な5つの幸せ】

1.働く社員の幸せ

2.社員の家族の幸せ

3.お客様の幸せ

4.関係企業で働く人々の幸せ

5.地域社会で関わる人々の幸せ

 

「関係企業で働く人々の幸せ」とは?

社員が幸せな会社づくりに、なぜ「関係企業で働く人々の幸せ」が関係あるのでしょう。「関係企業で働く人々の幸せ」、これは別の言い方をすると「自分たちの組織の外に敵をつくらない」という意味です。

関係企業と聞くと、仕入れや下請けや清掃などの、出入りの業者さんを思いつく人が多いのではないでしょうか。どのような業種であれ、自社のみでビジネスのすべてを完結している企業はありません。社外の様々な企業の協力があって成り立っています。

そのような協力企業の人々は皆、客観的な立場から私たちのことを見ています。組織の風土や人柄を通して、信頼関係を築き、末永く付き合っていけるかを見ているのです。協力業者の人々は、私たちの組織の内側を見ることができるので、表裏のある組織はすぐに見抜かれてしまいます。下請けだからと顎で使ったり、値引きを強要したりすると、自分たちの組織はそれでいいかもしれませんが、周囲からの恨みや怒りを買って、敵をつくってしまうことになってしまいます。そこまで酷くなかったとしても、仕事上でのコミュニケーション、特に挨拶が雑だったりすると、やはりいい感じはしないでしょう。

組織の内側を知る協力業者の人たちから恨みや怒りを買うような組織風土で、社員が幸せな会社をつくることなどできません。組織の内側を知ってもらっている協力業者の人々から「あそこの企業さんとお付き合いできて有難い」と、感謝されたり、見本・手本とされたり、尊敬を得たりと、仕事の関係以上のものがあり、末永く共に歩める関係性を築いていくことが大切です。

 

関係企業は協力業者だけではない

実は関係企業で働く人々の幸せには、協力業者の人々以外にも重要な人々がいます。それは同業他社の人々です。競争社会の中で、同業他社を追いやってでも成功を収めようとする組織では、社員が本質的に幸せになることはありません。そう言えるのはなぜでしょうか。

筆者はよく、「一番よりも、一流を」目指す組織をつくりましょう、と伝えています。一番は競争相手をつくります。抜きつ抜かれつシェアを奪い合うといったやり方は、社外に敵をつくるだけでなく、自社の人間を心身ともに疲弊させてしまいます。同業他社を競争相手と捉える組織は、周囲からも同様に扱われますし、そのような競争の末にあるのは概ね価格の値下げ競争です。

値下げ競争は多くの人が泣きを見ます。仕入れや下請けの協力業者は値段を叩かれますし、自社の人間も低賃金を強いられます。値下げ競争は、シェアの奪い合いだけにとどまらず同業他社のつぶし合いになることもありますので、「儲からなくても、相手を追いやれるなら……」と、業界商品に安物を多く流通させてしまう場合さえあります。同業他社と敵対関係になって、幸せな会社をつくることはとても困難なことなのです。

 

地域社会で関わる人々の幸せ

地域社会で関わる人々、と言うと「なんだ、お客様のことじゃないか。『3.お客様の幸せ』と、どう違うんだ?」と思う人もいるかもしれません。それはおそらく飲食店などの接客業や小売業といった仕事をされている方々ではないでしょうか。

ここで言う地域社会で関わる人々とは、直接的なお客様というよりかは、たとえばタクシーの運転手さんや、直接のお客様ではない地域住民の方々です。たとえば、高度成長期の時代では工場の建設に伴って地域の環境破壊・環境汚染があったりして、住民からの反対運動がありました。今ではそのようなニュースを聞くことはありませんが、昔のようなケースとまではいかないにしても、自分たちの会社がその地域にあることによって、地域の人々から感謝を得られるような、そんな組織でありたいものです。

大きな組織であれば、大規模なボランティア活動やメセナ(芸術・文化)活動に取り組んでいる所もありますが、それができる組織ばかりではありません。しかし、今の自分たちに現実的にできることに取り組むことで、地域の人々から慕われる組織づくりは可能です。

地域社会で関わる人々の幸せに貢献している企業かどうかは、その土地に行くとすぐにわかります。地元地域の人々から「さん付け」で呼ばれる組織は、地域社会で関わる人々の幸せに貢献している組織です。たとえば、タクシーに乗ったときに運転手さんが「○○さんはね……!」と、企業のことを「さん付け」で、自分の会社のように自慢をされるのです。

 

3回にわたって解説してきました、【社員が幸せな会社をつくるために大切な5つの幸せ】ですが、これは業種業態によって違いが出てくる場合もあることでしょう。しかし、たとえ違いがあったとしても共通するのは「自分さえ、自分たちさえ幸せだったら、それでいい」という考え方のもとでは、幸せな会社はつくれないということです。自分たちの組織にとって、どのような人々が関わっているのかを、今一度考える機会を持ちましょう。

 

 


 

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延堂溝壑(えんどう こうがく)

本名、延堂良実(えんどう りょうま)。溝壑は雅号・ペンネーム。一般社団法人日本報連相センター代表。ブライトフィート代表。成長哲学創唱者。主な著書に『成長哲学講話集(1~3巻)』『成長哲学随感録』『成長哲学対談録』(すべてブライトフィート)、『真・報連相で職場が変わる』(共著・新生出版)、通信講座『仕事ができる人の「報連相」実践コース』(PHP研究所) など。


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