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二宮尊徳の名言に学ぶ「組織づくり」の要諦とは?

二宮尊徳の名言に学ぶ「組織づくり」の要諦とは?

(2019年8月 7日更新)

 
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二宮尊徳が豊かな村づくりのために説いた言葉から、現代の組織づくり、そして幸せな会社づくりに役立つ名言をご紹介します。

 

なぜ二宮尊徳の農村改革の手法が、現代の組織づくりに通用するのか

二宮尊徳は農政改革者として、荒れ果てた農村の立て直しを行い、全国で多くの「幸せで豊かな村」をつくり上げました。そしてその尊徳が実践したその農村改革に関する手法は、現代における組織づくりにおいても大変参考になるものです。

では、なぜ尊徳の豊かで幸せな村づくりの手法は、時代を超えて通用するのでしょうか。その秘訣について、尊徳は次のような言葉を残しています。

 

「誠実にして、はじめて禍(わざわい)を福に変えることができる。術策は役に立たない」

 

尊徳の言葉にある「禍」とは、たとえば農村の荒廃です。尊徳は農村の荒廃は、人心の荒廃から来ていることを見抜いていました。いくら成果の上がる手段手法を伝えても、それに取り組み継続する人々の心が荒んでいれば取り組み自体が役に立たない。上記の言葉の最後で「術策は役に立たない」と言っているように、そのことを尊徳はよく分かっていたのです。

そして、尊徳の言葉には、「誠実にして、はじめて」という言葉が冒頭部分にあります。この誠実であることというのは、私利私欲がないこと、道徳(大義や信念や志)があること、優しさや生真面目さや勤勉勤労の姿勢があること、などが挙げられます。

嘘をつかず、真面目で、怠けず、丁寧に生きる。そのような心身の姿勢があってこそ、はじめて手法も役に立つのです。

 

「勉学に励まない人間は、生まれていないに等しい」と言い放った尊徳の厳しい姿勢

農村の荒廃は、人心の荒廃からきている。その人心の荒廃は、誠実さの欠如にある。そのように考えた尊徳は、人心を誠実たらしめるために何が必要であるかについて、次のように語っています。

 

「人生れて学ばざれば生れざると同じ 学んで道を知らざれば学ばざると同じ 知って行うこと能はざれば知らざると同じ 故に人たるもの必ず学ばざるべからず 学をなすもの必ず道を知らざるべからず 道を知るもの必ず行はざるべからず」

 

尊徳は「生まれたからには学び続けなさい、そして学んだら必ず実行をしなさい。それが出来ない者は、生まれていないのと同じことです。そして、学ぶとは『道を知る』ということです。道を知り、その道を行動に移しなさい」という意味合いのことを述べています。

尊徳は大変厳しい人物で、たとえば村に仕事をさぼる怠け者いたら、その者を担ぎ上げて冬の川に放り投げたと言われています。「学び実践しなければ、おまえは生まれていないのと同じことだ」と言い放ったこの言葉からは、そんな尊徳の学びに対する厳しい姿勢が伺えます。

それから、この尊徳の言葉の後半部分にある「道」とは、人間らしく生きるための道筋、すなわち倫理道徳のことではないかと、筆者はそのように解釈しています。ただ単に、テクニックやノウハウといった知識的なことを知ることが学びの本質ではなく、道を知り実践することが学ぶということ。尊徳としては、その「道」という一文字の中に、誠実という言葉をはじめ、道徳的な様々な意味を込めたのだと思います。

 

個人も組織も、根本は同じ

また、尊徳は次のような言葉も残しています。

 

「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である」

 

この言葉は、今回の記事で先に紹介した2つの名言よりも、さらに現代の幸せな会社づくりにとってのヒントを、直接的な表現で語り掛けてきます。

尊徳の言葉にある「道徳なき経済」とは、その当時で言えば、贅沢三昧で赤字を垂れ流す金銭感覚のない藩の財政であったり、荒廃した農村といった、道徳が廃れた状態での人間生活全般と捉えることができます。そのような経済では、本当に幸せな人生は送れません。また「経済なき道徳」とは、実践のない道徳のことを指しているのでしょう。

尊徳は学びと実践の二つを縦糸と横糸のように等しく重視してしました。それはつまり人間性を高めることと、その高めた人間性を自身の専門分野で発揮ことでしたが、尊徳は、それは組織(たとえば、藩や農村)においても同じことだと言いたかったのでしょう。

 

いかがでしたでしょうか。今回紹介した尊徳の3つの名言からは、現代における組織づくりの要点が見えてくるように思えます。

 


 

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延堂溝壑(えんどう こうがく)

本名、延堂良実(えんどう りょうま)。溝壑は雅号・ペンネーム。一般社団法人日本報連相センター代表。ブライトフィート代表。成長哲学創唱者。主な著書に『成長哲学講話集(1~3巻)』『成長哲学随感録』『成長哲学対談録』(すべてブライトフィート)、『真・報連相で職場が変わる』(共著・新生出版)、通信講座『仕事ができる人の「報連相」実践コース』(PHP研究所) など。


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