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「あがり症」で能力が発揮できない部下はいませんか?

「あがり症」で能力が発揮できない部下はいませんか?

(2020年1月24日更新)

 
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部下からの「あがり症」の相談に「気にするな。何とかなる」と軽く応えていませんか?

本人にとっては深刻な問題。受け流していると信頼関係を壊しかねません。

 

「あがり症」はなぜタイヘンなのか

最近、仕事のなかでよく聞くようになったのが「あがり症」の悩みです。緊張しやすいタイプであったり、緊張で人とうまくコミュニケーションができなかったり、ひどい場合には、言葉が震えてしまい本人の伝えたいことが正しく伝わらないということもあります。また、あがり症の人は、自分の能力を、まわりから正しく評価してもらえないことがありますが、それは「あがり」によって自己表現が割り引かれるからです。何かを伝えるのに必要な熱意や、仕事に対するやる気がないと思われてしまうことさえあります。

誰しも、能力や熱意があるのに、それが周りに認められないのは残念なことです。たとえ小さな仕事であっても、それがうまくできて、周りから評価されるという成功体験は、本人の自信につながります。この繰り返しが、当人を「仕事ができる人」に変えていきます。ところが、この入口のところで、能力や熱意はあるのに「あがり」のためにそれを発揮できにくい、あるいは正当に評価されにくいという形になりやすい。特に、プレゼンテーションや発表会、会議での発言などでは、過度に緊張することにより、発言内容そのものにまで「できない印象」がついてしまいがちです。

さらに、管理職になると、伝え方、表現の仕方、あるいはあがり症にどう対処したらいいのかなどの相談を受ける立場になります。このときに、自分自身があがり症にうまく対処できていないと、管理職として頼りにならないと思われるというデメリットもあります。

 

部下からの「あがり症」の相談で言ってはいけないこと

さて、昨年の忘年会のシーズンあたりには「忘年会スルー」という言葉をよく耳にしました。出たくないから参加しない――密なコミュニケーションを嫌う若者の性向は、以前から指摘されてきたとおりです。

あなたが若いころ、上司・先輩はコミュニケーションを図るのに「飲み」がメインでしたか? それとも、そんなコミュニケーションは苦手で、あなた自身も含めて「忘年会スルー」に近いタイプだったでしょうか。

「飲みニケーション」は今や死語に近いかもしれませんが、若いころの上司・先輩が「飲みタイプ」なら、自分がそうでなくても「飲みニケーション」の想像がつくでしょう。いずれにせよ、世代の差があるからこそ部下とのコミュニケーションは大切にしなければなりません。特に管理職になりますと、当然、部下から様々な相談が持ちかけられます。

「あがり症」の話に戻って、「あがり症で困っています。どうしたらよいのでしょうか?」という部下からの相談に、どう応えるといいでしょうか?

一番いけないのは、「気のせいだよ」とか、「あがっても、たいしたことない」と気分のせいにしてしまうことです。これでは、本当にアドバイスをもらいたい部下には役立ちません。

まずは、部下の現状をよく聞いてみましょう。緊張した時に頭が真っ白になるのか、あるいは、緊張はあるものの冷静に判断のつく状態なのか。そして、もしあなたがあがり症だったならば、相談に来た部下と同じ体験をしてきたこと、苦労はしたが今は管理職として仕事をしている、克服できているということを伝えてあげましょう。部下はきっと、あなたに信頼感をもってくれます。

「俺はお前とは違うんだ」「弱いから、あがるんだ」というような突き離した言い方、態度は、反感を買うだけで何も得るものがありません。程度の差はあっても、上司としての今の立場になるまでには、緊張を乗り越え克服してきた局面があるのではないでしょうか。あがり症の克服だけでなく、自分自身がそうした局面を乗り越えてきた経験を話してあげると、部下もあなたに共感しやすくなります。

 

緊張しすぎないための3つのポイント

私自身も、緊張しすぎないで堂々と力を発揮できる方法を、体験のなかで身につけてきました。プレゼンテーションなどであがらないためのポイントを3つほどお伝えしておきましょう。

 

Point 1:慣れないことをしない

初めての衣服や靴、文房具など、受験でも慣れないことをすると本領を発揮できないといわれます。過度の緊張状態にならないようにすることが大切です。

 

Point 2:リハーサルをしておく

初めて何かをするときには緊張度が高まるので、少しでも緊張度を下げるために、リハーサルをしておくのが良い手です。特に本番の条件に近いリバーサルだと、あがりにくくなります。

 

Point 3:いくつか保険をかけておく

万一あがったら、配る資料を決めておく、司会役がいれば休憩にしてもらう、質問タイムに切り替えるなど、いくつかの「保険」をあらかじめ用意しておくと安心できます。

 

部下から相談された時には、これらを参考にしていただき、さり気なくキャリアの中で養ってきたことを伝えていただきたいものです。

 


 

 

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松本幸夫(まつもと・ゆきお)

人材育成コンサルタント。1958年、東京生まれ。「最短でできる人をつくるプロ」として、最前線を走り続けている。マスコミや流通、通信、製薬、保険、電気、金融、食品といった業界で指導を行い、営業をはじめとするあらゆる職種のプロを育成することに定評がある。自らスピード仕事術を実践。年間220回の研修、講演活動を行い、そのリピート率は92%を超える。NHKなどのテレビ出演も精力的にこなす。ベストセラーとなった『とにかく短時間で仕事をする!コツ』(スバル舎)、『仕事が10倍速くなるすごい!法』(三笠書房)、最新刊『仕事のできる人が絶対やらない質問の仕方』(日本実業出版社)など著書は220冊を超える。


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