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オンライン研修 受講生の緊張感を保つには?

2020年6月 1日更新

オンライン研修 受講生の緊張感を保つには?

コロナ禍でオンライン研修をせざるを得ないというのは、どの企業も同じ状況かと思います。私のところにもオンライン研修の依頼があり、繰り返しているとその面白さもわかってきました。

ただ、オンライン研修には「緊張感を保ちにくい」というデメリットがあります。そこで、どうすれば緊張感のある研修ができるかを、人事教育担当で社内講師を務められる方に向けてお伝えできればと思います。

オンライン研修は緊張感を保ちにくい

そもそも、私が研修講師を始めた時代は「板書」が普通で、よくてOHP (Overhead projector)を使うくらいのものでした。また、椅子に座って話を始めるなどとんでもない時代で、けじめをつけるために起立、礼、着席という号令も珍しくありませんでした。
回顧談はさておき、リアルで行う企業研修では、まず担当者や主催者の挨拶があります。セレモニー的ではありますが、少しずつ受講者の気分を盛りあげていくことができます。人事部長の方なら、この役目を担った経験があるかもしれません。そのあと、研修講師が話します。つまり、人が集まって行われる研修では「なんとなく始まる」などあり得ないので、ここで受講生も研修に臨む姿勢をつくり、緊張感を高めることができたのです。
ところが、オンライン研修では、ややもすると規律が乱れがちになります。受講生が自宅から参加するというのが大きいと思いますが、気を引き締めて研修に臨むというのが、できにくいのです。講師側もそれは同じで「なんとなく」話し出してしまいがちです。

「なんとなく」始めてしまう研修に注意!

先日、たまたま、コンサルタントの知人のオンライン研修を見学しました。参加者は数名という規模だったのですが、正直、こんなに力をいれなくてもいいのかな? という感想をもちました。あまりにも規律が緩まって、講師にも受講生にも緊張感がなかったのです。
挨拶なしで、講師の紹介もなく、どこからが研修のスタートかがハッキリしない。オンライン研修でまず注意しないといけないのは、ダラダラとスタートしてしまうことです。始めから講師がペタンと座っていたりすることも大きな原因だと思います。いや、だから講師は立ち姿勢で始めましょうとは言いません。
ただ、オンライン研修では、講師もなんとなく始めてしまい、それが受講生の緊張感が保てない原因になってしまいがちだということを、社内講師を務める方には、心にとめておいてほしいのです。

ラーニングポイントをハッキリ示す

緊張感を保って研修を行うためのポイントは、ほかにもあります。
一つには、ラーニングポイントをハッキリ示すことです。
これは、ゆるみがちなオンライン研修の規律を保つにも、メリハリを付ける意味でも、また受講生が混乱しないためにも欠かせません。何の目的のワークなのか、このグループ分けにはどんな意味があるのかと、声に出して一つ一つ丁寧に説明することが、オンライン研修では必要になってきます。この点は、人事の方が社内講師をされるときには、あまり思い至らないことかもしれません。どんな目的で講師がその話をしているのかなどは、あくまで社員が自分で考えることであり、また、学んだことをどのように活用していくのか、職場での応用の仕方を、自分の頭で考えるのが研修と定義している方もいらっしゃると思います。
しかし、リアルの研修ではないオンラインの研修では、もちろんテーマにもよりますが、なぜその話をするのか、何が目的なのかを、声のトーンを上げてハッキリ示すことをお勧めします。さらに、それぞれの仕事において研修で学んだことをどう生かすのか、応用の仕方についても、すべてではないにしても、受講生が自分で考えるヒントを与える、グループで話し合うといった方法で、一歩踏み込んだ気づきを与える必要もありそうです。そうすることで、ともすれば「自宅のリビングで聞いているだけ」になりがちなところを、自分事としてとらえてもらうことができます。

デジタル機器の操作は別の人に依頼する

さて、私は、プレゼンテーションの研修を行うことがあります。講師は二人いて、全体の講評や、特にテーマを絞っての解説は私が担当。スライドの作り方や操作など、デジタル担当は相棒の講師が行います。メリットは、二人ともに専門家ですので、中身はほぼ最高なものを受講者に提供できることです。
一昔前には、経営者などでデジタルにそれほど強くない方がプレゼンを行う場合に、自分では機器を操作しないというケースがよくありました。スライドの作成やその操作は、担当者や得意な人に頼んで、自分はプレゼンの中身を磨くのです。
このように、忙しい経営者は、仮にデジタルが苦手でも、全体を把握して経営理念・事業のビジョンなどをしっかりと説明できればそれで良いのです。能力のある専門家をMC役として補佐してもらうのも一つの手です。
オンライン研修であっても、たとえば人事部長が講師を務める場合、その役割は、企業理念を伝えたり、コンプライアンスについて理解を促したり、あるいは就業規則を説明したりという中身の部分であって、機器を使いこなすことではありません。もちろんうまく使いこなせるに越したことはないですが、専門部署の方やデジタルに強い部下の力を借りるのは、何ら恥ではないと考えましょう。そのほうが、かえってオンライン研修をスムーズに進行できて受講生の緊張感も保てますし、講師として研修内容をブラッシュアップしたり、伝え方を工夫するといった余裕ももてます。特にオンライン研修では、講師役の人が何もかもやるというのではなく、デジタル機器の操作を人に任せて、受講生に緊張感をもってしっかり学んでもらうことを第一としたいものです。

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松本幸夫(まつもと・ゆきお)
人材育成コンサルタント。1958年、東京生まれ。「最短でできる人をつくるプロ」として、最前線を走り続けている。マスコミや流通、通信、製薬、保険、電気、金融、食品といった業界で指導を行い、営業をはじめとするあらゆる職種のプロを育成することに定評がある。自らスピード仕事術を実践。年間220回の研修、講演活動を行い、そのリピート率は92%を超える。NHKなどのテレビ出演も精力的にこなす。ベストセラーとなった『とにかく短時間で仕事をする!コツ』(スバル舎)、『仕事が10倍速くなるすごい!法』(三笠書房)、最新刊『仕事のできる人が絶対やらない質問の仕方』(日本実業出版社)など著書は220冊を超える。

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