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コンプライアンス教育の目的と研修のポイント

2016年12月14日更新

コンプライアンス教育の目的と研修のポイント

コンプライアンス研修・教育をどうすすめるか? 今回は、その目的とポイントを、なるべく具体的にご紹介したいと思います。

コンプライアンス研修の効果を高める3つの問いかけ

コンプライアンスについては、教育現場から「社員の当事者意識が乏しい」「研修を実施しても参加意欲が低い」といった声がよく聞かれます。この点についてはテーマの特性上、ある程度は仕方がないともいえます。しかし教育そのものを形骸化させないために、少なくとも以下の点について、社員に繰り返し訴え、問いかけていくことが大切だと考えます。

まずは経営理念を再確認

経営理念は、創業の精神に基づき、事業活動の領域や企業が重視する企業使命、価値観、社会的役割などを明示したものといえます。ですから、コンプライアンスを実践するためには、この経営理念が意思決定の「羅針盤」の役割を担うと考えられます。

1)自分の会社は、何をするために創業されたのか
2)自分の会社は、どんなことを企業使命と考えているのか
3)社員一人ひとりは、どのような価値観をもって行動すべきか

こうした問いを自ら、あるいはお互いに考えあうことがコンプライアンス教育の出発点になると思われます。

ほんとうに「会社のため」なのか?

「会社のため」という考え方についても、意識の改革が必要と思われます。コンプライアンス違反が発覚したとき、関係者の口からは「会社のためにやった」というニュアンスの言葉が聞かれます。「売上・利益を上げるために」「発覚すれば会社が不利益を被る」など、一見、会社への忠誠を示しているようですが、はたしてどうでしょうか。企業は社会の一員です。組織への忠誠を優先するあまり、不正を行うようでは、「社内を見て、社会を見ない」という批判を免れず、かえって会社に不利益をもたらすことになりかねません。これからは、コンプライアンスを遵守することが会社のためになる。つまり「会社のために」の意味が全く変わってきていることに、気づかなければなりません。

自分と家族を守るためにも

コンプライアンス違反をすると、会社の経営が悪化するだけではありません。不祥事を起こした社員は逮捕される場合もあり、刑事罰、民事罰を問われます。家族は、マスコミをはじめ周囲の目にさらされ、今まで幸福だった家庭生活があっという間に破綻してしまう可能性すらあるのです。コンプライアンスを守るのは、上司のため、会社のため、社会のためだけではなく、大事な自分と自分の家族を守るためでもある。このことへの気づきも、研修のねらいとすべきと思われます。

こうしてあらためて列挙してみると、どれも当たり前のことのように思えます。しかし、個別のケーススタディなどに入る前に、一通り確認しておくとよいと思いますので、集合研修カリキュラム策定などのご参考にしてください。

コンプライアンス教育実施のポイント

コンプライアンスを社内で徹底するには、「魂」ともいえる社内教育を行なうことが大変重要です。いくら良い仕組みをつくっても社員全員がコンプライアンス遵守をきちんと実践しなければ「仏造って魂入れず」になってしまうからです。

コンプライアンス教育では、「なぜコンプライアンスが大事なのか」を社員全員にしっかりと理解してもらうことから始めなければなりません。そのために、どのような教育・研修を行なっていけば効果があがるのでしょうか。

ケーススタディで具体的に理解させる

観念的・教条的な説明ばかりだと、他人事のように聞いてしまったり、退屈になって聞き流してしまいかねません。コンプライアンスを遵守することがなぜ大切なのかを、わが事として理解してもらうには、具体例を使って関心を持たせるケーススタディが効果的です。

●実際の事件を扱った新聞記事を紹介し、なぜそのようなことが起きたのかをみんなで意見を出してもらい、インストラクターがそれをまとめていく。
⇒インストラクターの指導力が求められます

●身近に起こりそうな事例を扱った教材を使って、教育・研修や朝礼等のミーティングを実施する。
⇒場所・人数・時を選ばず同じ教育効果が期待できます

社員の参画を促す

コンプライアンスの理解はできていても、時が経つにつれて次第に意識が薄れていくものです。そこで、コンプライアンス意識をさらに高め、維持していくために、いろいろな機会をとらまえて社員の参画を促す工夫をするなど、全社の盛り上げをはかることも重要です。

コンプライアンスの標語を募集する

→コンプライアンス強調月間を定め社員参画の企画をする~例えば、「私のコンプライアンス宣言」を社員全員に書かせてその宣言集を配布する

倫理綱領がない場合は、全社員が参画するイベントにして作成する

→押し付け感がなく、社員にも受け入れやすい。また、コンプライアンスへの意識が高い職場風土を醸成できる

昇進・昇格時に研修を実施(制度受講)

昇進や昇格の時は、意識が変わる節目にもなります。これからは、さらにレベルの高い仕事や判断を求められるだけに、コンプライアンスは最重要の教育のひとつといえます。例えば、社内外での研修に参加させたり、通信教育やeラーニングを受講させ、コンプライアンスの意識を高めるだけではなく、部下や関係者の範になる実践力を備えさせるようにします。

PHP研究所では、全社的なコンプライアンスに教育にお役立ていただける教材を多数用意しております。またオリジナルの冊子作成、eラーニング・コンテンツの提供も承ります。

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