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ゆとり世代の戦力化。どうする?管理職

ゆとり世代の戦力化。どうする?管理職

(2013年5月 1日更新)

 
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“ゆとり世代”が社会に出てきて、はや4年目。現場の皆様は、従来の常識とは異なる彼らの言動や価値観のギャップ、これまでの育成方法では通用しないことなど、さまざまな問題に頭を悩ませておられるのではないでしょうか。

ここでは、柘植智幸氏に、ゆとり世代の特徴や、管理職としてのマネジメントのあり方について紹介いただきます。

 

未熟な若者を鼓舞するアプローチ

私が「ゆとり教育世代」について感じている印象は、精神的に弱すぎること、人と向かい合ってのコミュニケーション能力が著しく低いこと、さらには他者を受け入れるキャパシティが低いことなどが挙げられる。

 

これらを想像すると、この世代の精神レベルがより具体的にイメージできるのではないだろうか? 要は、口にする内容は立派だが、心は未熟極まりないのだ。

 

中間管理職が彼らに接するときには、最後の最後まで詰めてしまうことを避けなければいけない。詰めていく際に、自分は能力が低いんだと自覚させてはいけないのだ。彼らは競争を知らない。だから、本当の自分のレベルを把握できていないのだ。

 

あくまで、「自分の努力不足で仕事を遂行できなかった」という点に気づくようにもっていく配慮が求められる。

 

具体的なやり取りでいえば、営業部においてノルマが達成できないときをシミュレーションしてみたい。

 
管理職:「いま、どんな状況だ?」
ゆとり教育世代:「まだ、できていません」
管理職:「なぜこんな簡単な数字が達成できない?」
ゆとり教育世代:「……」
管理職:「お前はこんなことができないようだと、いつまでも半人前だぞ!」
 
こんなやりとりは、タブー中のタブーだ。管理職は明らかに相手を追い詰めている。いままではこれでも通用したのかもしれない。例えば、私と同世代の就職氷河期の世代ならば、苦労して職をつかんだものだから、「はい、なんとか目標を達成します」と答えるだろう。
 
しかし、いまの20代に、このアプローチはまず通用しない。ましてや、「ゆとり教育世代」には絶対に禁句である。くどいようだが、この世代は20代の人たちよりも一段と精神レベルが低い。これを思い起こしてほしい。私が管理職ならば、こんな具合に接すると思う。
 
管理職:「いまどんな状況だ?」
ゆとり教育世代:「まだできていません」
管理職:「そこまでできたんだから、あと少しだろう」
ゆとり教育世代:「はい、がんばります」
管理職:「そうだ。君はやればできるんだから」
 
こうしたやりとりをすると、彼らのその後の対応は違うはずだ。「ゆとり教育世代」は自分を過大評価している。厳しい現実を知らない。だからこそ、自分はできるんだと可能性を信じることができるように誘うと、効果的なのである。
 
読者の中には、厳しい会社でスパルタ教育を受けた人もいるだろう。そんな人はここまで気を遣う必要があるのかと思うはずだ。しかし、これが現実なのである。
 
つい先日も、私のもとへ入社して数カ月の男性社員が「会社を辞めたい」と相談してきた。理由を尋ねると、「自分を認めてくれない」という意味合いのことを話す。数カ月といえば、まだ何の成果も出していないのだから、「権利だけを主張するのは誤りだ」と諭した。どこまで彼に伝わったのか不安なところだが、こういった若者は確実に増えている。
 
さらに精神的に未熟な「ゆとり教育世代」を戦力化できるか否かは、企業が意識を大きく改革することができるかどうかに懸っている。

 

管理職の若手へのマネジメント能力が低すぎる!

いざ職場を見渡してみると、管理職なっているバブル世代、さらに経営者を始め役員クラスの高度成長世代、団塊世代など、いずれも若い人たちのマネジメントがうまくない。そもそも、マネジメントに関心がない人すらいる。
 
特にバブル世代やその下の世代である就職氷河期世代は、人をうまく動かすことができない。それもそのはずで、この世代は1991年のバブル経済崩壊以降、会社に入っている。会社は業績が悪くなると、真っ先に経費を削るのが社員研修なのだ。
 
コンサルタントとしてこれには強い疑問を感じるが、日本企業の悪しき“伝統”であることは間違いがない。1990年代以降、多くの企業が目先の売上を上げることに必死になり、中長期的な観点から人を育てることを放棄してしまった。人材育成をしていくうえで劣悪な土壌はいまなお、さほど改良されていない。
 
そう考えると、パブル世代などのマネジメントカは相当低いといえるだろう。景気回復に伴う好業績を受けて、一部の企業は、じっくりと時間をかけて育てる土壌にしようとしてはいるが、そう多くはない。
 
この劣悪な環境の中に、純粋培養の「ゆとり教育世代」が入ってきた。その結果は、誰の目にも明らかではないだろうか?
 
ここで一定水準以上の管理職がいるならば、問題は大きくならない。ところが、まともな管理職は少ない。中には、若者に迎合することがマネジメントと思い込み、顔色を窺ったりする者もいる。これはプロとはいわないだろう。
 
要は、管理職が若い人たちにやりがいを与えることができるか、あるいは楽しみながらも真剣に仕事に取り組み、尊敬できる人物であるかが重要なポイントになるのだ。若い人たちは必ず上司を見ているのだから。それは「ゆとり教育世代」であっても何ら変わらない。
 
2008年2月1日、PHP研究所刊、
柘植智幸著『ゆとり教育世代の恐怖』より一部編集・抜粋
 

 

柘植智幸(株式会社じんざい社 代表取締役)

1977年、大阪生まれ。36歳の若手ながら年間200日以上、研修、セミナーをこなす実力派。就活の学生から新入社員・若手社員まで就業意識や生活環境に詳しく、2010年より社会人となったゆとり世代については早くから警鐘を鳴らしていた。ゆとり世代の違いを明らかにし、今までとは異なる育成法の必要性を説き、書籍やセミナー、講演などを通してマスコミからも注目される。

 


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