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研修助成制度の構築を?人材育成における現場と人事部の役割分担

2014年3月 5日更新

研修助成制度の構築を?人材育成における現場と人事部の役割分担

現場に人材育成のための企画を立案させたり、社員自らに能力開発の手段を考えさせることは、、それを会社として支援することは、現場の人材育成力を高めるうえでたいへん有効です。

 

*  *  *

 

仕事が高度化し、高速化する中、現場の人材育成ニーズも多様化している。その細かなニーズを一つひとつ掬い上げるのは至難の業である。

そこで、全社の教育担当者は、全社に共通する考え方や知識、職務遂行能力の育成支援に特化して、個々の職種ごとに必要とされる知識や技術、スキルについて、各現場で育成企画と実施を行わせる。そうした育成の役割分担をする中で、現場の育成力を強化することも可能である。

コーチングだ、自己理解だ、だけではなく、現場の育成責任を明確にすること。また、それを単に文書化したり宣言したりするだけではなく、制度として具現化することが大切である。

下記に、某社の成功事例を紹介する。参考資料として「研修助成申請用紙」も示した。

ここで重要なのは、権限委譲という名を借りた、現場への放任にならないように注意することである。そもそも育成では、責任を明確にすることが大事なのである。

 
 

事例】H社「チャレンジ制度/自律型人材育成支援」

 

〈概要〉

既成ではなく、オーダーメイドで
人事は、金は出すけど、口も出す
 
・社員は自らの自己啓発計画に基づいて、必要な支援策を会社に請求し、会社は、社員が必要としている自己啓発の方法、手段の内容に応じて、金銭的、ノウハウ的な支援を行う。ただし、請求をすべて受け入れるのではなく、制度の目的や支援を認める基準、条件(期間、コスト等)等を明確にし、審査という過程を通して、支援の有無を決定する。社員自ら、能力開発に必要な手段を企画し実行することを、会社として支援する。
・今までの「会社から与えられる支援施策、制度」ではなく、「社員自ら創り出していく能力開発、その行動を支援する会社」という考え方で、「個別ニーズに焦点をあてた自由選択型の施策の強化」を行う。
 
 
〈メリットと注意点〉
・社員は、自主性、積極性をもち、個人の成長により合致した支援を会社に請求できる。
・会社は、特定の、個々人のニーズに基づいた支援ができる。個々人のニーズに的確に対応することで、環境変化を取り込むような施策で支援ができる。「自分で自分を育成」できる人材を育て、支援することができる。社員の自主性、積極性を尊重でき、自助努力をしようとする者のみに対して、支援することができるため、ある意味公平性がある。
・反面、自ら積極的に制度を活用する社員と、そうでない社員との二極分化が起きる。自分から手を挙げてこない社員のケアの必要性がある(ケアの是非の検討)。
 
 
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 ※出典:『[実践]社員教育推進マニュアル』(2009年1月・PHP研究所発行)
 

 
 
【著者プロフィール】
 
茅切伸明  かやきり のぶあき 
慶應義塾大学 商学部卒業後、(株)三貴入社。 その後、(株)日本エル・シー・エー入社。 
平成1年3月 住友銀行グループ 住友ビジネスコンサルテイング(株)(現SMBC コンサルティング(株))入社。セミナー事業部にて、ビジネスセミナーを年間200 以上、企業内研修を50以上担当し、他社のセミナーを年間50以上受講する。 
平成18年4月 (株)ヒューマンプロデュース・ジャパンを設立。「本物の教育」「本物の講師」「本物の教育担当者」をプロデュースするという理念を掲げ、現在まで年間500以上、累計3,000以上のセミナー・研修をプロデュースするとともに、セミナー会社・研修会社のコンサルティング、セミナー事業の立ち上げ、企業の教育体系の構築なども手掛ける。 
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』、通信教育『メンタリングで共に成長する新入社員指導・支援の実践コース』(以上、PHP研究所)、『だれでも一流講師になれる71のルール』(税務経理協会) 
 
 
松下直子 まつした・なおこ 
株式会社オフィスあん 代表取締役。社会保険労務士、人事コンサルタント。 
神戸大学卒業後、江崎グリコ(株)に入社。新規開拓の営業職、報道担当の広報職、人事労務職を歴任。現在は、社会保険労務士、人事コンサルタントとして顧問先の指導にあたる一方、民間企業や自治体からの研修・セミナー依頼に応え、全国各地を愛車のバイクで巡回する。
「人事屋」であることを生涯のライフワークと決意し、経営者や人事担当者の支援に意欲的に向き合うかたわら、人事部門の交流の場「庵(いおり)」の定期開催や、新人社会保険労務士の独立を支援するシェアオフィス「AZ合同事務所」の経営など、幅広く人材育成に携わっている。
著書に、『実践社員教育推進マニュアル』『人事・総務マネジメント法律必携』(ともにPHP研究所)、『採用・面接で[採ってはいけない人]の見きわめ方』『部下育成にもっと自信がつく本』(ともに同文舘出版)ほか。

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