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〈安全第一〉はすべての企業に必要な精神である――全国安全週間を前に

2014年5月28日更新

〈安全第一〉はすべての企業に必要な精神である――全国安全週間を前に

今年も7月に「全国安全週間」が実施される。製造現場に取材に伺うと、必ずといってよいほど目にするのが「安全第一」という標語である。英語でいえば、“Safety-First”になる。

 

私は、この「安全第一」という大きな看板を見上げるたびに、この言葉の重さというものを考えさせられる。「品質第一」でもなく、「生産第一」でもなく、「安全第一」を働く場所の真ん中に掲げることの意味についてである。
 
“Safety-First”は、米国で誕生した言葉である。1900年代の初頭、労働者は不景気の影響もあって劣悪な労働環境の中で働かされていた。いわば「生産第一、品質第二、安全第三」という考え方が一般的で、会社の方針でさえあった時代である。危険な作業に従事する労働者の多くが、災害に見舞われていた現実がそこにあった。
 
“Safety-First(安全第一)”を初めて提唱した人物は、USスチール社の経営者であったゲーリー氏である。敬虔なキリスト教徒でもあった彼は、労働者たちが直面していた悲惨な現実を前に、会社の方針を大きく転換させた。すなわち「生産第一、品質第二、安全第三」という業績優先の考え方から、「安全第一、品質第二、生産第三」という人間中心の考え方にシフトしたのである。これによって労働災害はたちまち減少し、上向き始めた景気によって品質・生産も向上したといわれている。
 
日本でも、かつて女工哀史に代表されるような過酷な労働環境が問題となっていたし、戦後も「ケガと弁当は手前持ち」といった言葉があるように、人の安全というものが軽視される風潮があったように思う。品質や生産、効率を重視するあまり、人を犠牲にしてしまうのである。バランスを欠いた過剰な利益追求が、こうした発想を生むのであろう。
 
ところで、「安全第一」という考え方は、言葉を変えれば「人間第一」である。「人が働きやすい職場にするからこそ、生産や品質も維持・向上できる」という発想がここにある。
 
現代は、うつ病など精神疾患が大きな社会問題となっている。しかし、こうしたメンタルヘルスの問題も、結局のところ、根は同じではないだろうか?
 
以上のようなことを考えながら、「安全第一」の看板の前に立つと、決して「安全第一」を建前にしてはならないと思えてくる。ただの飾りにしてはいけないのである。「安全第一」ならぬ「人間第一」という原点に立ち返って、職場環境というものを見つめ直さなければ、企業というものが真に発展した姿はないと思えてならない。
 
これは、製造現場に限った話ではない。すべての企業の発展にとって、「安全第一」は必要な精神であると思うのである。
 
 
PHP研究所 企画制作部 林順一
 
 
 

 
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