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ベストモチベーションカンパニーの人事部長は、部下にどんな指導をしているのか

2017年6月 7日更新

ベストモチベーションカンパニーの人事部長は、部下にどんな指導をしているのか

人事部門とはいったいどうあるべきか。「ベストモチベーションカンパニーアワード2017」第1位に輝いたライフルが考える人事部の役割と責任とは?

※本記事は、羽田幸広著 『日本一働きたい会社のつくりかた』(PHP研究所刊)より、その一部を抜粋編集したものです。

人事とは「そういう部署」

ライフルには「社長賞」という表彰制度があります。評価の軸や表彰する時期は厳密に決まっておらず、要するに「社長の心が動いたら、その時に」表彰されるというものです。大体、年に2、3人(部門)程度が表彰されます。

その社長賞を、2014年に「人事部」が受賞しました。

後日、井上と飲みに行ったときにいわれました。

「あの表彰状を読み上げているとき、いろいろ思い出して、目頭が熱くなったよ」

井上と私が「日本一働きたい会社」をつくろうと誓い合ってから、9年が経っていました。表彰式のときに、その年月に思いをはせたというのは私も同様でした。ですから、井上の言葉はこれまでのどんなねぎらいよりも心に響きました。

そして、この受賞が特別嬉しかったのは、私個人ではなく人事部全体について井上が高く評価してくれて表彰に至ったことです。

私は、人事部のメンバーにはかなり厳しく指導します。普段から大変な思いをさせているという自覚があるだけに、みんなが受賞を喜んでいる姿がとても嬉しかったのです。

なぜ、そんなに厳しくするのか。

私が人事部のメンバーにことさら厳しいのは、人事とは「そういう部署」だからです。

会社において、様々なルールをつくり、それを社員に守ってもらうのが人事です。

人事の人間が、「いっていることとやっていることが違うよね」と思われるわけにはいきません。予算執行の検討が甘い際の「自分たちが採用した人たちが一生懸命稼いでくれたお金をそんなに雑に扱うな」という小言は口癖のようになっていますし、人事は仕事柄色々な人にお願いをすることが多いですが、その依頼の仕方や依頼の内容が雑だと感じた場合には我ながらしつこく指摘します。

「事を成す」という言葉がありますが、「人事」とは、事業の観点からいえば「事を成すために、人を集め、組織を作り、情熱を引き出す」つまり人を以て事を成す仕事だと考えています。

そんな人事が、社員の頑張りや時間を無駄にしてしまうことは絶対に許されませんし、人事は社員の模範であるべきだと考えています。

自分たちの目指す理想の会社像を共有し、重すぎる期待、細かすぎる指摘に応え、常に良い仕事をしてくれている人事の仲間には、感謝しかありません。

一点の曇りもなく行動する

当社のガイドラインにある「一点の曇りもなく行動する」。

これは、社員が日々仕事をしていくうえでとても大切にされている価値観の1つになっています。人事にとってもこのガイドラインはとても重要で、特に心掛けなくてはならないのは、「法令」と「社員間の公平性」について、一点の曇りもあってはならないと考えています。

そのためには、日ごろからの徹底した姿勢が必要になります。

人事が責任を負っているルールはたくさんあります。代表的なものは、就業規則をはじめとする人事関連の規程ですが、規程で定められていないようなルールも多岐にわたります。社員からの問い合わせへの回答で、法的に多少判断に迷う部分があったり、以前同様の事案があったものの、それから少し期間が空いている場合などは、確実に顧問弁護士に確認するように指導しています。

契約している弁護士事務所への相談は月に数十件に及び、当社の規模では相談数が断トツで多いとのことです。「想定以上の相談数で、とても割に合わない」と弁護士に泣きつかれ、顧問料金の増額を要求されたくらいです。

人事部には社会保険労務士の資格をもつ社員も在籍していますし、経験豊富な社員も多いです。しかし、たった一度でも自分の知識や経験、能力を過信して誤った判断をしてしまうと、社員に多大な負担をかけてしまったり会社をリスクに晒さらしてしまったりする可能性もでてきます。

ですから、面倒であっても、1件ずつに確実に対応していくことが、会社の長期的な安定につながります。「弁護士はなんていってた?」というのは私の口癖の1つです。

当社の顧問弁護士は大変優秀な方ですが、私とは年齢が近く、飲みに行ってバカ話をするくらい仲良くしていただいています。本当に信頼のおけるパートナーを社外に見つけることも、会社を守るうえで重要だと感じます。

法令をしっかり順守したうえでしなければならないことは、社員間の公平性を保つことです。「この人だけに」とか「今回だけだよ」という対応をすれば、それがのちのち尾を引き、過去と現在のつじつまが合わなくなってしまったり、社員間の公平性が保てなくなってしまったりして、それが社員の会社に対する信頼を低下させる原因になります。

我ながらかなり堅苦しいと自覚していますが、長期的なコンプライアンスや社員の納得感を維持するために、人事担当者の対応は非常に重要なものとなると考え、心を鬼にして人事メンバーにも注意と習慣化を求め、一致団結で取り組んでいます。

日本一働きたい会社のつくりかた

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