
研修講師――困ったときのQ&A

(2016年7月29日更新)
研修講師はあらかじめ想定されるトラブルを列記しておくことで、心の準備ができます。起こりうるトラブルをご紹介します。
* * *
Q 研修の受講を拒否された
教育は、社員にとって権利であり、義務でもあると言える。消火対策と防火対策を。
消火:業務命令違反として、厳粛に対応
防火:規程、ルールの整備と運用
Q 参加人数が少なすぎるとき、多すぎるとき
基本的に、参加者個々人には、全体の人数と自身の学習は関係ない。少なければアットホームな雰囲気になる。多ければ、全体の盛り上がりを活用できる。それぞれのメリットを最大限に活かすこと。一方、デメリットのカバーにも配慮する(少ないときは例を活用して経験を補う、多いときはペアワークを活用して個に対応するなど)。
Q 反抗的な受講者への対応
反抗するにも訳がある。一喝しても何らメリットなし。意識的に視線を向けることから始めたり、比較的答えやすい質問を投げかける。その中から態度の理由がつかめる場合もある。なすべきことと失うもの、コントロールできることと、できないことを区別する。
Q 私語をする参加者
全員の中で注意すると萎縮される。私語をしている人のほうを向いて、質問を促す。
Q 居眠りする参加者
講師の責任も自覚する。全体の雰囲気を読んで、早めに対処することも大切。内容が難しすぎないかを確認し、参加型のインストラクションや、軽い体操、休憩を活用する。眠ってしまっている人には、その前後左右の受講者に簡単な質問をして、刺激を与える。寝ている人を露骨に注意することは、雰囲気を悪くすることがあるので要注意。参加者にガムを配付する講師もいるなど、講師はみな工夫している。
Q 時間が足りないとき
時間が余ることを恐れず、レッスンプランはゆとりをもって組んでおく。また、項目ごとに時間管理を行うようにしておく。最後には、大胆に話す内容を省略する(レジメに載せていない項目は、それが分からない)。
Q 時間が余りそうなとき
各項目のまとめの討議をうまく活用する。
Q 難しい質問に対して
疑問の質問にせよ、意見の質問にせよ、参加者の理解を深めるためになる質問は大切。質問への回答は基本的に、参加者全体に対して行うものである。しかし、対応が困難な場合は、つい質問者だけに対応しがちになるので注意すること。
・真意が不明な質問→よく問い直して、真意を明らかにしてから回答する
・調べる必要がある質問→即答できないことを伝え、後で調べて回答すると伝えるか、調べ方を伝える
・考える必要がある質問→参加者の意見を聴くのもひとつの手
・専門外の質問→専門外であると伝えて回答を断るか、専門外であると断ってから回答
・個人的な相談での質問→簡単に答えられそうにない場合は、別に機会を設ける
・批判的な質問→いったん受け止める、他の参加者の意見を取り入れるのもひとつの方法
※出典:『[実践]社員教育推進マニュアル』(2009年1月・PHP研究所発行)
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