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面談で何もしゃべらない女性社員~コーチングQ&A

面談で何もしゃべらない女性社員~コーチングQ&A

(2017年8月 3日更新)

 
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先般、自己目標の評価と次期目標の設定について、部下と面談を行ないましたが、ある女性社員との面談がうまくいきませんでした。

コーチングを意識して、彼女の目標に対していくつかの質問をしてみたのですが、どの質問に対しても黙り込んでしまい、自分の意見を述べるようすすめてみても同様に黙ってしまいました。

当人は普段からあまり積極的でなく、他の社員とのコミュニケーションもうまくとれていないようです。何とか彼女のやる気を引き出したいのですが、何もことばがないので、一方的に私が話をして終わってしまいました。こういう部下に対して、具体的な対応方法があれば教えてください。(古田一郎・営業所次長〈仮名〉)

 

*   *   *

 

こういう人は、稀ですが確かにいますね。コーチングどころか、日常会話も、雑談も、乗ってこない人です。

コーチングではこういう人を「コーチャブルでない人」と表現し、そういう人に対してはあえてコーチングを行ないません。やっても効果がなく、お互いに時間の無駄になるばかりなので、相手がコーチャブルな状態になるまでコーチングはしないのです。

しかしそれはコーチングの専門家の話であって、上司としてはそうもいきませんね。相手が何を考えているのか、どんな希望や悩みをもっているのか、なぜやる気が低いのか、といったことを把握するのは、マネジメントの必須事項ですから。

 

可能性として別分野からの支援も考慮する

さて、ご質問の女性社員さんですが、文面から見る限り、この人の頑なさは少々常軌を逸しているように感じられます。

この人はもしかしたら、性格的に社会や会社に溶け込めないという根本的な要素をもっているのかもしれません。そうなるとこれは、上司が簡単に何とかできるという類のものではなく、カウンセラーか、場合によっては精神科医の出番です。このケースはその可能性も考えなければならないのではないかという懸念はあります。古田さんはこの点どうお考えでしょうか。

 

慎重に原因を探っていく

実際はそのようなケースは稀で、何らかの原因で自信を失っているとか、今は話をしたくないと感じている、というようなケースのほうが多いことは間違いありません。このケースもそうであることを望みますが、その場合には、何が原因かを突き止めなければなりません。

そこで考えていただきたいのですが、彼女のこのような状態は、入社以来ずっとそうだったのでしょうか、それとも、ある時期からこうなったのでしょうか。

周囲とのコミュニケーションもうまく取れていないとのことですが、社内に誰か親しい友人はいそうですか? お客様とか外部の人とのコミュニケーションはどうですか?

それから、面接の際に、古田さんがいらいらして言葉がきつくなったようなことはありませんでしたか? 相手が考えているときにこちらから言葉を発して考えを中断させたようなことはありませんでしたか?

また、彼女に対して、日常、挨拶や冗談など気軽に声をかけていますか? それに対する反応はどうですか? 

実は、こうしたことをよく把握しないと、的確なアドバイスは難しいのです。こちらの勝手な思い込みでアドバイスをしても、まったく効果がないどころか、逆効果の場合さえあり得ますから、慎重を要するテーマであり、私としては躊躇せざるを得ません。

古田さんはこうした状況を把握しておられるでしょうから、それをもとに、古田さんの親しい先輩や信頼できる上司に相談されてはいかがでしょうか。また、彼女に親しい友人や尊敬する先輩がいるようであれば、そういう人に相談するのもいいでしょう。

 

心からの気持ちは必ず相手に届く

ただし、「○○さんがこういう態度で手を焼いている」というような言い方は、相手が誰であれ、決してしてはいけません。万一彼女の耳に入れば、さらに事態は悪化します。あくまで彼女の現状と将来を心配し、何とか彼女に元気に仕事ができるようになってもらいたいと思っている、というスタンスが原則です。もちろんそれは古田さんの心からの願いでなければなりませんし、そうであれば、いつかその気持ちは彼女に届くはずだと思います。

具体的なアドバイスができずに申しわけないのですが、先述のごとく、これは現状を知らない第三者にはうかつなことが言えないテーマです。上記のことを参考にしていただき、身近で解決の道を探っていただくようお願いしたいと思います。

 

【POINT】ケースによっては、別の分野の専門家への相談も選択肢の一つだということを心に留めておこう

 

 

出典:『リーダーのためのコーチング実践Q&A』(2005年8月/PHP研究所)

 

コーチング研修ベーシックコース

 


 

【著者プロフィール】

星雄一(ほし・ゆういち)

1969年、松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)に入社後、(株)PHP研究所に出向。月刊「PHP」編集部、出版部、直販普及本部などを経て、1997年、同社取締役。2008年、専務取締役。2009年、任期満了により退任。営業・編集・出版・子会社設立運営・人材育成と多方面の経験を活かして、PHPゼミナールの企画運営や研修講師育成にあたる一方、経営幹部のマネジメント、リーダーシップ全般の研修も担当。また、「PHPコーチング」プログラムを企画開発し、自らもコーチング講師として講演・講師活動を行なう。現在、(株)PHP研究所客員。


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