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上司や同僚がコーチングを実践しない~コーチングQ&A

上司や同僚がコーチングを実践しない~コーチングQ&A

(2018年6月18日更新)

 
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研修で学んだことをできるだけ部下に実践していますが、自分が上司から受ける対応は、学んだこととはかなりギャップがあるように感じています。

会社全体としてコーチングを定着させようという意識が浸透していなければ意味がないように思えますが? 

また、一緒にコーチング研修を受講しながら、学んだことを職場において全然実践していない同僚がいます。何か良い対処法はありませんか?

(金田三郎・営業マネジャー〈仮名〉)

 

*   *   *

 

金田さんのご質問はまことにごもっともであり、現場第一線の管理者の方々がコーチングを学んで実践しようとする企業の多くで挙げられる共通の課題です。我々、研修を提供する側の大きな課題でもあります。

 

コーチングの意義を会社に浸透させる

まず、最初のご質問のですが、まさにおっしゃるとおり、会社全体としてコーチング導入・定着に取り組むのが理想の姿です。

ところが現実には、課長・係長クラスの方々だけが受講することが多く、彼らが現場でコーチングを使って部下とコミュニケーションをとろうとすると、後ろの席から「何をのんびりした話をしてるんだ! 早く指示してさっさと進めんか!」などと、コーチングを知らない部長が声をかけてくる、とてもコーチングをやれるような状況ではない、などという声をよく耳にします。

企業の研修担当の方々もその点には気づいておられて、最近では現場管理者の研修の前に幹部や上級管理者向けに2~3時間程度のコーチングに関する講演をしてほしいというご依頼が増えてきました。私どもからもそうした方法をお勧めしています。その程度の講演ではコーチングのスキルを使えるところまではとてもいきませんが、少なくともコーチングとは何か、どんな意義や効果があるのか、ということまではご理解いただくことは可能です。それによって、せめて足を引っ張る姿勢からバックアップする姿勢に変わっていただければ、かなり違ってくるでしょう。

 

コーチングの意義を上司に説明する

しかしそれとは別に、金田さんご自身で何かできることはないでしょうか。私は、金田さんに対して、「直属上司にコーチングを理解してもらう」という行動をとっていただきたいと切に思います。例えば一杯飲みにいったときでも結構ですが、少し時間をとってもらって、「研修で学んだコーチングとはこういうものです。少し職場で実践してみたところかなり効果があるように思うので、続けてみようと思っています」といった話をして、上司の理解共感を得るということです。

「俺はそんなまどろっこしいやり方は性に合わんな」などとおっしゃる方もあるでしょうが、「とにかく私はしばらくやってみたいと思うので、その状況や効果を見守っていただけませんか」と、足を引っ張らない約束をもらっておきたいですね。

このような話をするためには、研修で学んだことを整理し、要領よく話せるように準備しておく必要があります。ちょっと大変かもしれませんが、この作業は、自分の知識ややり方の見直しという意味でも、また、他者にわかりやすく話す工夫をするという意味でも、金田さんにとって非常に勉強になるはずです。「教えることは学ぶこと」という言葉がありますが、これによって新たに気づくこと、学ぶことは決して少なくないでしょう。たとえ上司の反応が今ひとつであったとしても、金田さんご自身にとって有益な試みとなることは間違いありません。ぜひトライしてみてください。

 

コーチングの意義がピンとこない人には……

さて、後者のご質問ですが、大変残念なことですがそのような方はどこにでもいらっしゃいます。きっと彼にはコーチングの考え方や意義がピンとこなかったのでしょう。遺憾ではありますが、それはそれでやむをえません。他人をこちらの思うように変えることなど、誰にもできないのですから。

しかし、もし金田さんや、あるいはともに研修を受けたメンバーのうちの何人かの方が根気よくコーチングのスキルを磨き続けながら使い続け、その職場の雰囲気が変わり、部下の方たちのやる気が変わり、成果が変わってくれば、彼も何かに気づくかもしれません。

人は自ら気づかなければ、真の行動変容は起きないのです。彼が気づき、コーチングに目覚める時期がくることを期待して、そのためにもがんばってコーチングを使い続けていっていただきたいと思います。

 

【POINT】「伝える」こととは、すなわち、「学び直す」ことであると心得よう

 

 

出典:『リーダーのためのコーチング実践Q&A』(2005年8月/PHP研究所)

 

コーチング研修ベーシックコース

 


 

【著者プロフィール】

星雄一(ほし・ゆういち)

1969年、松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)に入社後、(株)PHP研究所に出向。月刊「PHP」編集部、出版部、直販普及本部などを経て、1997年、同社取締役。2008年、専務取締役。2009年、任期満了により退任。営業・編集・出版・子会社設立運営・人材育成と多方面の経験を活かして、PHPゼミナールの企画運営や研修講師育成にあたる一方、経営幹部のマネジメント、リーダーシップ全般の研修も担当。また、「PHPコーチング」プログラムを企画開発し、自らもコーチング講師として講演・講師活動を行なう。現在、(株)PHP研究所客員。


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