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着任して半年の職場で主任としてとるべき行動は?~コーチングQ&A

着任して半年の職場で主任としてとるべき行動は?~コーチングQ&A

(2018年7月27日更新)

 
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部下の話を「聴く」ということに特に気をつけて対話してみたところ、部下は自分の考え方などを気軽に話し始め、自己主張もするようになり、これまで以上に自信を持って行動しているように見えます。

 

「聴く」ということは、部下にとっては自分が信頼され、期待されているということで、やる気が出ることになるのだと実感しました。

現職場には所長・所長代理・副所長の3名の上司がいますが、部下は1名のみです。所長は超ベテランですが3カ月後に定年、所長代理は4カ月ほど前に着任したばかり、副所長は現在休職中、私も着任後半年という状況の中、今後、自分自身の主任としての取るべき行動およびコーチングの仕方はどのようにしたらよいですか。

(北田二郎・メーカー営業所〈仮名〉)

 

*   *   *

 

北田さんのご質問の前半部分は、質問というよりコーチングを実践しての感想ですね。「傾聴のスキル」が効果があることを実感されたようで、素晴らしい気づきです。「聴く」はコーチングの基本であり、相手の存在を肯定的に認めていることの表明でもありますので、部下に限らず、「話を聞く」ときには常に実践するよう今後とも心がけていただきたいと思います。

 

基本はコミュニケーションにあり

さて、後半のご質問ですが、これはなかなか難しいですね。何といっても、北田さんの置かれた立場が難しい。北田さんが実質的にこの事務所を切り盛りしていく中心にならなければいけないのでしょうが、着任してまだ半年程度ということですから、そのご苦労は推察できます。

とにかく事務所の業務を滞らせるわけにはいきませんから、おそらくこれまでもそうだったのでしょうが、逐一所長の指示を仰ぎ、確認をとりながら、まずはスピードよりも正確さに重点を置いて日々の業務をきちんと処理していく必要があるでしょう。その上で、以下のようなことを心がけられてはどうかと思います。

 

所長の経験・知識・情報をできるだけたくさん吸収する

定年退職まであとわずかですから、この間に、学び取れるだけのものを学び取る貪欲さで接するべきです。できれば所長代理も一緒に、毎週数回、終業後の一~二時間を空けてもらって、徹底的に話を聞くのです。傾聴のスキルをフル活用すべきですが、質問は、こちらがわからないことを尋ねるという普通の質問で十分でしょう。

また、昔話になるととかく自慢が入るものですが、あとわずかなのですから、適度に承認のスキルを使っていい気持ちで話をしてもらうことです。とにかく、人生の先輩・仕事の先輩から学べることは、その気になれば、ものすごくたくさんあるはずです。

 

事務所の運営について、所長代理とよく話し合う

いずれ次の所長が来られるのか、所長代理が昇格されるのか、所長代理と北田さんの年齢差や相性はどうか、副所長の復職の見込みは、など、私にはわからないことばかりですが、とにかく、所長の退職後は所長代理と二人で協力して事務所を運営するという覚悟は必要でしょう。

その意欲を北田さんから所長代理に伝え、所長のレクチュアとは別の時間に、二人でよく話し合うことです。ここでも、所長代理がどういう考えをもっているかを「聴く」ことが中心で、北田さんの意見は少し時間をおいて考えてからのほうがいいでしょう。所長代理の方針に全面的に協力する、というスタンスを基本に、若干の改善提案をする、という形が望ましいのではないかと思います。

 

部下育成を買って出る

部下一名がどのような立場・キャリアの方かわかりませんが、貴重な若手実務者ですから、その育成は北田さんが進んで買って出るぐらいの意欲がほしいと思います。

部下育成こそ、コーチングの真価が発揮される場面です。これまでどおり「聴く」をベースに置きながらも、直属上司として、厳しい要求者であっていただきたいと思います。相手の成長を心から願う気持ちと、相手には無限の可能性があるという人間観をしっかりもっていれば、時にどんなに厳しく叱っても、部下は必ず受け入れてくれるし、ついてくるものです。こいつを何としても俺が一人前にしてやる、という意欲を胸に、しかし実際に成長するのは彼自身なのだからそのサポートをするというスタンスを忘れずに、接していただきたいと思います。

 

上記のような対応を続けていけば、営業所内での風通しは非常に良くなり、人間関係もさらに改善向上するでしょう。自分がこの営業所の中心だという自覚と、まだまだ修行中という謙虚さを常に併せもって、大いに活躍していただきたいと思います。

 

【POINT】自分がこの職場を担うという気概と、謙虚に学ぶ姿勢を忘れずに

 

 

出典:『リーダーのためのコーチング実践Q&A』(2005年8月/PHP研究所)

 

コーチング研修ベーシックコース

 


 

【著者プロフィール】

星雄一(ほし・ゆういち)

1969年、松下電器産業株式会社(現・パナソニック株式会社)に入社後、(株)PHP研究所に出向。月刊「PHP」編集部、出版部、直販普及本部などを経て、1997年、同社取締役。2008年、専務取締役。2009年、任期満了により退任。営業・編集・出版・子会社設立運営・人材育成と多方面の経験を活かして、PHPゼミナールの企画運営や研修講師育成にあたる一方、経営幹部のマネジメント、リーダーシップ全般の研修も担当。また、「PHPコーチング」プログラムを企画開発し、自らもコーチング講師として講演・講師活動を行なう。現在、(株)PHP研究所客員。


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