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質の高い報連相が「お互いに助け合える職場環境」をつくる

2018年10月 1日更新

質の高い報連相が「お互いに助け合える職場環境」をつくる

できる上司が部下に教える報連相の本質、その3番目の項目「報連相は『質の高い仕事の成果を上げるため』に行うもの」について解説します。

できる上司が部下に教えている報連相の本質について、これまで『できる上司が部下に教えている「報連相の本質」とは?』と『報連相とは「情報共有」ではなく「情報の共有化を深める」こと』の、過去2つの記事でその詳細お伝えしてきました。

【報連相の本質】

1.報連相は「仕事の進め方」そのもの

2.報連相は「情報の共有化を深める」ということ

3.報連相は「質の高い仕事の成果を上げるため」に行うもの

今回は、その3つめの項目です。

報連相の本質3:報連相は「質の高い仕事の成果を上げるため」に行うもの

報連相の本質2にもあるとおり、報連相は情報の共有化を深めるために行います。では、組織はなぜ情報の共有化を行うのでしょうか。それは一言でいうと「お互いに助け合うため」です。

組織で働くということは、1人では成しえない質の高い仕事の成果を得るためです。そのためにはともに働く者同士の協力が欠かせません。お互いに助け合っていくためには、互いの仕事の事情や状況を理解しておかなくてはなりません。つまり、情報の共有化の第一の効能は「お互いに助け合える環境をつくる」ということなのです。

お互いに助け合い、1人では成しえないような質の高い仕事の成果を上げる。それが報連相の本質にはあります。

しかしそこに気がついていない人は、ある者は自分の仕事の不具合から逃れるため責任転嫁の報連相を行います。ある組織は質の高い仕事の成果に結びつかないようなムダな報連相に多くの時間を費やします。

「リーダーシップとは、助けてもらう能力なり」

できる部下を育てる上司は部下に助けてもらうのが上手です。報連相の本質をしっかりと部下に教え、自ら助けてもらえる(または助け合える)組織づくりをしているのです。

一方、報連相ができない部下に不満を漏らす上司は、助け合える組織づくりができません。報連相の本質にたどり着いていないからです。

ビジネスの古い格言に「リーダーシップとは、助けてもらう能力なり」という名言がありますが、ぜひとも憶えておきたい言葉です。

数年前、とある地方で、地元の経営者から一般社員までの幅広い層に向け、報連相のオープンセミナーが開かれたことがありました。

午後半日のセミナーでしたが、そのセミナーの最後、受講者同士の感想共有の場で、ある一人の経営者が前に出てきて感想を発表しました。

その経営者は、まるで普段の職場と社員たちを思い浮かべるかのように会場の空(くう)を見つめながら、ゆっくりと穏やかな口調で次のように述べられました。

「真の報連相とは、世間一般で言われているようなものとはずいぶん違うなと思いました。今日、私が一番印象に残った言葉は『リーダーシップとは、助けてもらう能力なり』という言葉です。私はまだまだ部下に助けてもらえてないなぁ......」

その経営者はそう言うと、「明日からまた頑張ります!」と笑顔で席に戻っていかれました。

助け合える組織は、生産性が向上する

この経営者が言わんとしたことはいったい何でしょうか。部下の批判でしょうか。いいえ違います。

この経営者が言いたかったのは、報連相の本質がリーダーシップやマネジメントに深く関わっていることに気がついた、と言いたかったのです。

そして自分の普段の仕事の進め方をふり返り、自分はまだまだ未熟であったと内省(自分や物事を深くかえりみる)したその気持ちを「私はまだまだ部下に助けてもらえてないなぁ......」と表現したにすぎないのです。

報連相の本質がチームや組織に深く浸透していくと、内部の人間関係に変化が生じ安心と信頼の人間関係が築かれていくようになります。助け合える組織の文化が生まれます。

それはどのような形で表面に出てくるかというと、生産性の向上というカタチで現れてくるのです。

DVD『ケーススタディで学ぶ報連相の基本』はこちら

延堂溝壑(えんどう こうがく)

本名、延堂良実(えんどう りょうま)。溝壑は雅号・ペンネーム。一般社団法人日本報連相センター代表。ブライトフィート代表。成長哲学創唱者。主な著書に『成長哲学講話集(1~3巻)』『成長哲学随感録』『成長哲学対談録』(すべてブライトフィート)、『真・報連相で職場が変わる』(共著・新生出版)、通信講座『仕事ができる人の「報連相」実践コース』(PHP研究所) など。

なお、本稿は糸藤正士氏に著作権のある『真・報連相』を、著作権者の承認を得て使用している。

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