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結束力の高いチームのリーダーは「感謝」や「愛」を知る機会を設けている

2018年11月13日更新

結束力の高いチームのリーダーは「感謝」や「愛」を知る機会を設けている

チームの結束力を高めるためには、どんな方法があるでしょうか。優れたリーダーは、仕事上だけではなく、仕事以外での経験を通して、メンバーが「感謝」や「愛」を学び、経験する機会を意図的に設け、大切にしているのです。

前回「成長を重ねるチームは、どのようにして成長し続けているのか?」 では、成長し続けるチームが共有している6つの項目をご紹介しました。

【成長し続けるチームが共有している6つの項目】

1.逆境
2.感謝・愛
3.感動・感激
4.目標・目的
5.達成感・追求感
6.互恵学習

成長し続けるチームは、これら6項目を共有することで、チームの結束力を強めたり、メンバー同士で切磋琢磨し成長しあえる関係を築いています。
前回は「1.逆境を共有する」について解説をしましたが、今回は、その続きとして「2.感謝・愛を共有する」について解説します。

2.感謝・愛を共有する

成長を続ける組織では、「感謝の心」や「愛情」を学ぶ機会を設けています。
たとえば、
・新入社員のご両親から「社会に出るお子さんに向けたメッセージ(家族の想いやこれまでの思い出)」をお手紙にしていただき、入社式で直属の上司がサプライズで読み上げ、家族の想いや愛情を共有する
・親孝行や家族への恩返し(初任給での家族サプライズを課題にする、両親に感謝の手紙を書く、両親の足を洗う など)を体験課題として取組化している
・仕事とは直接関係のないボランティア活動(地域の清掃や児童施設・介護施設への訪問 など)を積極的に行う
・毎月の給料日には、リーダーがメンバーに対して、一ヶ月間の感謝と労をねぎらう手紙を書いて渡す
などです。

なぜそのような仕事とは直接関係のないことを、手間暇かけてまでするのかと言うと、チームの結束力はチームメンバーの情緒によって繋がっており、強くも弱くもなるからです。
最近では家族経営と呼ばれる経営手法が随分と浸透してきました。これは同族経営のことではありません、社員同士が家族のように強い絆を持ち、助け合える組織にしましょうというものです。

心の繋がりがなければ「チーム」ではなくただの「群れ」

なぜ「家族」というテーマを経営に取り入れているのかと言うと、それは「何があっても、最後まで味方なのは家族」だからです。人生で何かに失敗したり間違ったりしても、最後まで味方でいてくれるのは家族です。
たとえば、子どもが受験で失敗したり就活で失敗しても、家族は見捨てることをせず応援してくれますよね。極論ですが、それは社会的な間違いを犯したとしてもです。

今日の変化の激しい社会情勢では、個々人の質の高い専門性はもちろんのこと、チームとしての結束力も当然必要になってきます。会社全体で助け合い支え合えるチームワークが必要なのです。

ですが、実際の職場でチームワークが必要となるような大切な場面において、チームのメンバーが「いや、チームメンバーへの協力はできません。自分は自分、他人は他人ですから。たとえ同じ職場の人間であっても、自分の仕事上での必要最小限のコミュニケーション以外はとる気はありません」となってしまっては、組織としてのメリットは活かせません。これではチームではなく、単なる一匹オオカミの群れでしかありません。

助け合い支え合うチームであるために

では、「一匹オオカミの群れ」ではなく「助け合い支え合えるチーム」となるためには、何が必要となってくるのでしょうか。
それは、メンバー一人ひとりが「感謝」や「愛」を知ることです。感謝や愛を知ることは、自分が恵まれていると理解することに繋がります。知足の精神と言われるものです。
感謝や愛を知ることで、人はこれまで気づくことができなかった、自分の受けてきた恩恵に気づけるようになります。社会インフラの有難さであったり、家族をはじめとした周囲の人間から与えられてきた愛情やサポート、仲間や友人の存在など、自分の生まれ育った環境のマイナス面ではなくプラス面に気づけます。

自分が恵まれていると気づけた者だけが、自分が得ることの喜び以上に相手に与えることの喜びと大切さを実感できるようになります。なぜかというと、それは「与えてくれる人々がいたからこそ、今の自分があるのだ」と分かるからです。
そして、自分に与えてくれた人々のように、「自分も得るだけではなく与えることのできる立派な人間になりたい」と思えるようになります。そこには人間としての精神的な自立があります。

「得る喜びよりも、与える喜び」に気がついてもらう

ところで、いくら会社やチームリーダーが、社員やチームメンバーに「同じ職場で働く仲間やお客様にも、大切な人(たとえば家族)と同じように接しましょう」と言ってみても、当人がこれまでの人生で一番お世話になっている人々に対して感謝や愛を感じていなければ、「いや、そんなこと言われても……」となって、そこで終わりです。
これまでの人生で一番身近な人々、お世話になってきた人々以上に、職場の仲間に対して感謝や愛情を持てる人は稀ではないでしょうか。

チームの結束力を強めることのできるリーダーは、仕事上での経験だけではなく、仕事以外での経験を通して感謝や愛を学び経験する機会を意図的に設け、大切にしています。
もちろんこの取り組みを嫌がったり煙たがるメンバーはいます。そのメンバーにも、体験を通して学んでもらうには、リーダーの率先垂範が大切になってきます。
リーダーが本気であることが伝わったとき、はじめてメンバーも行動に移してくれます。そして理論ではない体験を通じて、メンバー一人ひとりが知足に気がつけたとき「得る喜びよりも、与える喜び」に目覚め、チームの結束力一層強くなっていくのです。


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延堂溝壑(えんどう こうがく)
本名、延堂良実(えんどう りょうま)。溝壑は雅号・ペンネーム。一般社団法人日本報連相センター代表。ブライトフィート代表。成長哲学創唱者。主な著書に『成長哲学講話集(1~3巻)』『成長哲学随感録』『成長哲学対談録』(すべてブライトフィート)、『真・報連相で職場が変わる』(共著・新生出版)、通信講座『仕事ができる人の「報連相」実践コース』(PHP研究所) など。

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